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書評:イレーヌ・ネミロフスキー(野崎歓、平岡敦訳)『フランス組曲』白水社、2012年。


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イレーヌ・ネミロフスキー『フランス組曲』白水社、読了。著者はロシアから亡命したユダヤ人資産家の才女。作家デビューして十年、第二次世界大戦が始まった。「国が私を拒絶するなら、こちらは国を平然と観察し、その名誉と生命が失われていくのを眺めていよう」。本書は歴史の激動をめぐる証言。

舞台は40年のドイツ軍の侵攻から始まる。フランス中のあらゆる階層の人々が本書には登場する。ドイツ人将校と不倫する銃後の婦人は極めて美しく描かれている。食料を奪い合う浅ましき人々の一方で、堪え忍ぶ人間の気高さが冷静に綴られている。


作家が死を意識しつつ、書きとどめた証言は、まさに一編の「組曲」である。「アウシュヴィッツに散った作家のトランクに眠っていた、美しき旋律」(帯)。


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