« 覚え書:「フランクル『夜と霧』への旅 [著]河原理子 [評者]後藤正治」、『朝日新聞』2013年01月27日(日)付。 | トップページ | 覚え書:「擬人化カエル、平泉にも 『鳥獣人物戯画』そっくり 同時期の作か」、『毎日新聞』2013年01月27日(日)付。 »

「東京都青少年の健全な育成に関する条例」に基づく「不健全図書類のお知らせ」

2101


-----

……人類の意見がほぼ一致していて、たったひとり異論を唱える人がいる場合、そのひとりを沈黙させるのは、意見の違うひとりが権力を握っていて圧倒的多数の意見を沈黙させるのと変わらないほど不当な行為である。意見というものがそもそも本人以外にとって何の価値もなく、ある意見をもつことを禁じられても本人以外は何の被害も受けないと仮定すれば、被害を受ける人がごく少数なのか多数なのかで、ある程度の違いがあるともいえよう。しかし、意見の発表を禁じることには特別の害悪があり、人類全体が被害を受ける。そのときの世代だけでなく、後の世代も被害を受ける。そして、発表を禁じられた意見をもつ人以上に、その意見に反対する人が被害を受ける。その意見が正しかった場合、自分の間違いをただす機会を奪われる。その意見が間違っている場合にも、間違った意見にぶつかることによって、真理をそれ以前よりしっかりと、活き活きと認識する機会を奪われるのだから、意見が正しかった場合とほとんど変わらないほどの被害を受けるのである。
    --ミル(山岡洋一訳)『自由論』光文社古典新訳文庫、2006年、4142頁。

-----


別に、『告白・性体験』やら『男と女の交差点』を読みたいとは思わないけれども、「ある意見をもつこと」を禁じられることが何を意味するのかについては、深慮することが必要不可欠だと思う。

何が善くて・何が悪いのかは、「政府」が決める占有物なのだろうか。得てしてそれは「政府」が設定し、私たちの日常生活の「常識」を規定する。そしてその“ねつ造”された「常識」が、厚顔無恥なる精神の圧迫になることは、歴史を振り返れば明らかなわけなんだけれども、そのコードにしたがうことが素晴らしいと錯覚されているのが現状なんでしょう。

ぎゃふん。


2102


2103


2104


自由論 (光文社古典新訳文庫)
ジョン・スチュアート ミル
光文社 (2012-06-12)
売り上げランキング: 83,446

自由論 (光文社古典新訳文庫)
ミル
光文社
売り上げランキング: 331,484


自由論 (岩波文庫)
自由論 (岩波文庫)
posted with amazlet at 13.01.31
J.S. ミル
岩波書店
売り上げランキング: 16,142

自由論 (日経BPクラシックス)
ジョン・スチュアート・ミル
日経BP社
売り上げランキング: 26,510

|

« 覚え書:「フランクル『夜と霧』への旅 [著]河原理子 [評者]後藤正治」、『朝日新聞』2013年01月27日(日)付。 | トップページ | 覚え書:「擬人化カエル、平泉にも 『鳥獣人物戯画』そっくり 同時期の作か」、『毎日新聞』2013年01月27日(日)付。 »

現代批評」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/451663/49089498

この記事へのトラックバック一覧です: 「東京都青少年の健全な育成に関する条例」に基づく「不健全図書類のお知らせ」:

« 覚え書:「フランクル『夜と霧』への旅 [著]河原理子 [評者]後藤正治」、『朝日新聞』2013年01月27日(日)付。 | トップページ | 覚え書:「擬人化カエル、平泉にも 『鳥獣人物戯画』そっくり 同時期の作か」、『毎日新聞』2013年01月27日(日)付。 »