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覚え書:「【著者来店】『武士道とキリスト教』 笹森建美さん」、『読売新聞』2013年02月24日(日)付。


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『武士道とキリスト教』 笹森建美さん

根幹にある共通点

 十字架が掲げられた礼拝堂で、刀を構える剣道着姿の男性。ここ東京・世田谷の駒場エデン教会の牧師にして、小野派一刀流第十七代宗家が、武士道とキリスト教をもっと広めたいと、一冊の本をまとめた。

 小野派一刀流は、柳生新陰流と並び、徳川将軍家の剣術指南役となった名門。最初の一太刀で相手を倒す「切落きりおとし」が極意というすさまじさだ。キリスト教のイメージとの違いに、違和感を覚えずにはいられない。

 だが、そんな違和感には慣れっこの様子。「二つは決して矛盾しない」と穏やかに語る。むしろ、代々伝えられた武士道と、祖父の代から入信したキリスト教には共通点が多いと説く。生き死にを大事にすること、信じる道のための自己犠牲の精神、努力と精進を続ける長い道のり……。「武士道で本当に強さを極めた人には、人間の限界が分かる。だから、人の限界を超える神様の存在にたどり着ける。キリスト教は、日本人にぴったりの教えです」

 アメリカ留学から帰国後、牧師と古武道の指導を両立させて43年となる。帰国した頃に聞いた、子どもたちの「野球選手ならホームラン一本でいくら」という言葉が忘れられない。戦後の日本ではすべてがカネに換算され、価値観が揺らいでいると感じた。「だから最近はどんな分野でも、位が高くなっても格が伴わない人が多い。信仰も武士道も、深める過程で自然に倫理的になっていくのに……」

 こんな時代だからこそ、武士道とキリスト教が共に持つ精神を世に生かしたい。80歳を迎える今年も、毎週土曜には牧師から武道家へと装いを変え、30人ほどに直接教える。表情から感じ取れる、深い優しさと真の強さ。だから真っすぐな訴えも胸に響く。「人にとって一番大切なものは、絶対的な価値観を持つことです」(新潮新書、680円)(小林佑基)
    --「【著者来店】『武士道とキリスト教』 笹森建美さん」、『読売新聞』2013年02月24日(日)付。

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http://www.yomiuri.co.jp/book/raiten/20130226-OYT8T00849.htm

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