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覚え書:「『原発のごみ問題 未来への投棄だ』 脚本家・倉本聰さんインタビュー」、『毎日新聞』2013年03月04日(月)付。

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「原発のごみ問題 未来への投棄だ」
脚本家・倉本聰さんインタビュー

テレビドラマ「北の国から」などの作品で知られる脚本家、倉本聰さん(78)が作・演出した舞台「明日、悲別(かなしべつ)で」が、全国各地で巡演されている。閉山した架空の炭坑町「悲別」シリーズの最新作で、東日本大震災をきっかけに原発問題を取り入れた。国のエネルギー政策に翻弄され、故郷を追われた「棄民」が大きなテーマだ。倉本さんに「悲別」に込めた思いや原子力政策に対する考えを聞いた。【聞き手、論説委員・鴨志田公男】


 --東日本大震災から間もなく2年。自民党が総選挙で圧勝し、安倍晋三首相は、民主党政権が掲げた「2030年代の原発ゼロ」見直しを表明しました。

 ◆原発にはいろいろな視点がありますが、ごみ問題が最大のテーマでしょう。事故が起きなくても使用済み核燃料の問題があるし、40年で廃炉にする場合も大量にごみが出る。廃炉に使うロボットも高レベルの放射能に汚染されたごみになる。処分については何も決まっていない。これからアジアで原発の新設が相次ぎ、日本がビジネスチャンスとばかりに参入しようとしているが、許されるのかという気がします。核のごみが出る責任を誰が取るのか。私たちは資本主義の中で、ごみを出すことに慣れきり、反省がなくなった。

 --私たちは電力を使っているのに、核のごみの処分はひとごとで、誰かがやってくれると思っている面があります。

 ◆ 未来というごみ箱に核のごみを捨てているわけです。それでは我々の子孫はたまらない。そもそも、そこまで人間という生き物は持たない仕組みになっているのでしょう。

 --世の中はアベノミクスを歓迎し、多くのひとびとは景気回復を期待しています。経済成長を中心に考えると、原発は必要だという意見も出てきます。

 ◆安倍さんには、核のごみの問題をどうするのか、しっかり答えてほしい。経団連の会長さんにも。何の返答もなく、次のステップ、その次のステップというのはおかしい。便槽のあふれ出した家に住んでいるようなものなのに、どんどん原発を動かしていこうというのは理解できない。

 --震災直後の夏の東京でも省エネ意識が進み、明かりが消えましたが、昨年の夏は違いました。

 ◆日本人は忘れっぽくなってしまった。私自身は、資本主義的な考え方とは決別しなければいけないと考えています。

 --昨年は東北の被災地で「悲別」を巡演しましたね。反応は。

 ◆大きな反響がありました。特に福島の講演では「ありがとう」という叫び声も出た。(震災や原発事故が)風化されることが寂しいし、嫌いなんでしょう。舞台で「悲別は人がいなくなって、大熊や双葉町を見ているようだ」というせりふが出てきます。今年も3月11日に福島を訪れ、大熊や双葉、楢葉町あたりの状況がどうなっているかを見てきたいと思っています。

 --廃坑に埋められた「希望」は、つるはしやハンマーでした。坑道に入って落盤事故にあった者たちは、これらを使うことで、生きる力を出します。

 ◆つるはしやハンマーは、人間が本来持っているエネルギーを使いなさいということなんです。現代の文明社会では、速くものを解決し、時間を余らせて、別のことをしたいという感覚がありますね。でも、コンテナ船で米国から日本に貨物を運ぶのに8日かけていたのを7日にしたら3割もエネルギー消費が増えたという話もある。それでよいのか。皆さん、一人一人に考えてほしいと思います。

「悲別」シリーズ最新作巡演中
 200年前に閉山した炭坑町、悲別。若者たちは、先人たちが地下300メートルの坑道に埋めたタイムカプセルに封印された「希望」を探しに、2011年の大みそか、町に集まることを約束する。20年後、福島の原発労働者となって事故処理にあたる者があり、片や、悲別の町おこしのため、炭坑の地下1000メートルに原発廃棄物を閉じこめようと画策する者がいた……。
 全国21会場を巡る公演は1月にスタート。3月6日に茨城県東海村で最終日を迎える。
    --「『原発のごみ問題 未来への投棄だ』 脚本家・倉本聰さんインタビュー」、『毎日新聞』2013年03月04日(月)付。

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「明日 悲別で」特設サイト

http://www.kuramotoso.jp/2013_Winter/top.php

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