« 書評:E・ブリニョルフソン、A・マカフィー(村井章子訳)『機械との競争』日経BP社、2013年。 | トップページ | 覚え書:「書評:フランシス子へ [著]吉本隆明 [評者]水無田気流」、『朝日新聞』2013年05月05日(日)付。 »

書評:原田敬一『兵士はどこへ行った 軍用墓地と国民国家』有志舎、2013年。


101_2


原田敬一『兵士はどこへ行った 軍用墓地と国民国家』有志舎、読了。国民を創造する国家は「死」を記念・管理せざるを得ない。本書は緻密な実証と丹念なフィールドワーク、そして国際比較のを通して、戦死者の追悼・慰霊・顕彰・記念を検証、著者の広範な取材はその成立と構造を的確に論証する。

軍用墓地とは、軍が設置し、維持・管理した軍人の墓地のこと。その先駆けは大英帝国という。日本では代々「家」の墓だが、献身(死)の引き替えとしての顕彰は個人名で記したが、やがては碑的なものへ収斂する。アーリントン墓地や「平和の礎」とは対照的。

時に感情の摩擦の導火線となる軍用墓地。本書はその知られざる実態を写真やイラストを豊富に用いて詳論する。本書で初めて知ることも多い。軍用墓地と国民国家の様々な事例と歴史を比較する本書は、この問題を考察するうえでは基本的な一冊になるだろう。

Resize0983
兵士はどこへ行った 軍用墓地と国民国家
原田 敬一
有志舎
売り上げランキング: 302,425

|

« 書評:E・ブリニョルフソン、A・マカフィー(村井章子訳)『機械との競争』日経BP社、2013年。 | トップページ | 覚え書:「書評:フランシス子へ [著]吉本隆明 [評者]水無田気流」、『朝日新聞』2013年05月05日(日)付。 »

書評」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/451663/51617761

この記事へのトラックバック一覧です: 書評:原田敬一『兵士はどこへ行った 軍用墓地と国民国家』有志舎、2013年。:

« 書評:E・ブリニョルフソン、A・マカフィー(村井章子訳)『機械との競争』日経BP社、2013年。 | トップページ | 覚え書:「書評:フランシス子へ [著]吉本隆明 [評者]水無田気流」、『朝日新聞』2013年05月05日(日)付。 »