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覚え書:「今週の本棚・新刊:『被爆アオギリと生きる 語り部・沼田鈴子の伝言』=広岩近広・著」、『毎日新聞』2013年05月05日(日)付。


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今週の本棚・新刊:『被爆アオギリと生きる 語り部・沼田鈴子の伝言』=広岩近広・著
毎日新聞 2013年05月05日 東京朝刊

 (岩波ジュニア新書・903円)

 被爆者の沼田鈴子さんは「アオギリの語り部」として知られた。2011年7月に87歳で亡くなるまで、修学旅行や平和学習で広島を訪れた延べ約10万人に被爆体験を語った。平和の民間大使としてアジアや欧米など21カ国を訪問し、市民同士による草の根交流の大切さを強調した。

 沼田さんは22歳の夏、広島に落とされた原爆により片足を失う。婚約者は終戦の直前に戦死した。沼田さんは自殺の誘惑に負けそうになったとき、原爆の熱線で幹をえぐられた被爆アオギリが若葉をつけているのを見つけ、生きる勇気をもらう。原爆記録映画「にんげんをかえせ」に登場したのを契機に、被爆アオギリを分身に見立てて原爆を語り始める。片足をなくした体験から、反戦と反核に反差別を加えた。児童や生徒には「相手の痛みがわかる心」と「真実を知る知恵」を持つ人になってほしい、と諭すように訴え続けた。

 本書は遺言となった沼田さんのメッセージを、半生の活動を通じて集大成している。若い世代に向けての一冊だが、母親や父親世代にも読んでほしい。人間が再生していく物語と戦争に反対する真摯(しんし)な姿勢は、世代を超えて胸に響く。(伸)
    --「今週の本棚・新刊:『被爆アオギリと生きる 語り部・沼田鈴子の伝言』=広岩近広・著」、『毎日新聞』2013年05月05日(日)付。

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[http://mainichi.jp/feature/news/20130505ddm015070027000c.html:title]


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