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覚え書:「発信箱:原発輸出と共感力=青野由利(専門編集委員)」、『毎日新聞』2013年05月24日(金)付。


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発信箱:原発輸出と共感力=青野由利(専門編集委員)
毎日新聞 2013年05月24日

 女性からは総スカンだが、男性はどうだろう。ちょっとした疑いを抱いていたが、偏見だったようだ。「従軍慰安婦制度は必要だった」という橋下徹氏の発言をどう思うか。毎日新聞が今週まとめた世論調査では、男女ともに「妥当でない」が約7割で、性差はない。

 むしろ、驚くほど男女差が見られたのは「原発輸出」に対する考えだ。男性は「賛成」と「反対」が半々。一方、女性は「賛成」2割、「反対」7割で、圧倒的に否定的だ。過去の調査を見ると、「原発再稼働」についても女性の反対が多いが、これほどの違いではない。

 「一般的に女性は危険なことを嫌い、行動が慎重」「健康、安全、子どもの将来など、原発は女性の関心が高いことに影を投げかけるので反対は当然」。専門家から聞いた話はその通りだと思うが、プラスアルファがあるのではないか。

 ひとつ、思いつくのは「共感力」だ。輸出先の途上国や新興国が被るリスクを我が事のように感じられるか。そういえば、途上国支援に尽力してきた緒方貞子さんも原発輸出には疑問を呈していた。一方で輸出推進派は、別の「共感力」を主張するかもしれない。「途上国にも原発の電力で発展する権利がある」という見方だが、なんだかだまされている気がする。

 世論調査の担当部署によると、男女差があるのは国民の合意が固まっていない証拠。だとすれば、巻き返しのチャンスはある。自国の経済のために他国をリスクにさらさない。事故原因さえわかっていないのに、「世界一安全な原発」とにこやかに売り込む安倍晋三首相には、こうした共感力こそ期待したい。
    --「発信箱:原発輸出と共感力=青野由利(専門編集委員)」、『毎日新聞』2013年05月24日(金)付。

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http://mainichi.jp/opinion/news/20130524k0000m070164000c.html

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