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覚え書:「今週の本棚・新刊:『犬の伊勢参り』=仁科邦男・著」、『毎日新聞』2013年06月09日(日)付。

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今週の本棚・新刊:『犬の伊勢参り』=仁科邦男・著
毎日新聞 2013年06月09日 東京朝刊

 (平凡社新書・840円)

 江戸の頃、庶民のあいだでは「お伊勢参り」が盛んだったことはよく知られている。伊勢神宮まで詣でたのは、善男善女だけではなかった。犬までもが、それも単独ではるばる東北、四国などからやってきては拝礼して帰郷した--という。

 一概には信じられない話だ。それを著者はさまざまな史料を渉猟するなかで、「事実は小説よりも奇なり」どころか、犬が国元の人たちの期待を背負って代参する事例があったことなどを描き出す。のみならず牛や豚までもが伊勢参りをしていた記録を発掘する。あくなき探求心は「歴史探偵」の名に恥じない。

 人に連れられることなく一匹でのお伊勢行が可能だったのか。そもそも犬に信仰心があったのか。そうした疑問を解くため、著者は日本人と犬がどういう関係を築いてきたのかを実証的に明らかにしていく。それらの謎解きは、明治初期以降、犬のお伊勢参りがぱたりと途絶えてしまったことと密接に関わってくるのだが、それは本書のヤマ場。言わぬが花だろう。ただ、最後に明かされる「信仰心」の論考は圧巻のひと言。

 式年遷宮の年にふさわしい知的好奇心を満たす好著の登場だ。(隈)
    --「今週の本棚・新刊:『犬の伊勢参り』=仁科邦男・著」、『毎日新聞』2013年06月09日(日)付。

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[http://mainichi.jp/feature/news/20130609ddm015070045000c.html:title]

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