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書評:フランク・ローズ(島内哲朗訳)『のめりこませる技術 誰が物語を操るのか』フィルムアート社、2012年。


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フランク・ローズ『のめりこませる技術 誰が物語を操るのか』フィルムアート社、読了。本書は現代メディアを横断する「のめりこませる技術」を腑分けする現代メディア論。著者は元ワイアード誌編集長。膨大な事例を検証し、メディアの「物語性」に問題を提起する。

本書は「のめりこませる技術」を腑分けする現代メディア論。メディアの物語性に問題を提起する。著者は元ワイアード誌編集長。膨大な事例を検証し説得力に富む。

インターネットの登場は伝統的なメディアに対する改革となったが、「物語」事態のあり様を変えることにもなった。即ち、従来の視聴のみ受容する観客を「参加」型がへと変容させた。送受信の境界が曖昧になる中で、物語が消費されている。

キーワードは「参加」。それは市場のあり様をも変容する。受け手を巻き込み参加させる技術は「企業」ではなく「個人」をターゲットとする。進化し続けるこの技術を前に、のめりこまない視点は必要不可欠となろう。メディアを材料に現代を読む異色の「物語」論。

以下、蛇足。副題の「誰が物語を操るのか」は消費社会の動員の問題への警鐘となるものだが、そもそも人間は「物語」を消費しながら生きていくほかない。「良い/悪い」の二分法ではないが、この「物語」性をどう捉えるかの視座も必要不可欠になるだろう。


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のめりこませる技術 ─誰が物語を操るのか
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