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覚え書:「今週の本棚・新刊:『新訳 茶の本』=岡倉覺三・著」、『毎日新聞』2013年07月07日(日)付。


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今週の本棚・新刊:『新訳 茶の本』=岡倉覺三・著
毎日新聞 2013年07月07日 東京朝刊

 (明石書店・1575円)

 『茶の本』は、日本のほか東アジアの芸術精神を英文で紹介した岡倉天心の代表作として名高い。いや、こんな説明の仕方こそ、美術史家の訳者が本書で正そうとしている。著者をめぐる「神話」解放を提唱した、入魂の解説は読み応えがある。

 第一にこだわったのは名前だ。岡倉の本名は覺三。原文(1906年刊行)はもちろん、初めて全文邦訳された岩波文庫版(29年)も「Kakuzo」「覺三」著だ。しかし、後に続いた10種類近くの訳書は、天心が近親者への書簡などに使った号で、法名にも含まれた「天心」という呼称に。ここで礼賛の意味合いが込められる。

 「天心神話」生成の理由について、訳者は日本が軍国主義の道を歩んだ歴史との関連を指摘する。それゆえ、これまでの翻訳は<日本からのまなざしで処理しすぎてきた>とも。日米を往復した時代に書かれた本書を、<アメリカ東部の精神風土、思想状況のなかから生まれた>点に目を向けるべきだとする主張は説得力がある。

 訳文は平易で、著者が留意した韻にも気を配った労作。=木下長宏訳・解説(け)
    --「今週の本棚・新刊:『新訳 茶の本』=岡倉覺三・著」、『毎日新聞』2013年07月07日(日)付。

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[http://mainichi.jp/feature/news/20130707ddm015070017000c.html:title]


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