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覚え書:「今週の本棚・新刊:『世界の壊れ方 時評二〇〇八~二〇一二年』=町田幸彦・著」、『毎日新聞』2013年07月14日(日)付。


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今週の本棚・新刊:『世界の壊れ方 時評二〇〇八~二〇一二年』=町田幸彦・著
毎日新聞 2013年07月14日 東京朝刊

 (未來社・2310円)

 強引な単独行動主義が一つの頂点を極めたイラク戦争の後、米国の一極支配は揺らぎ、世界は中心を失ってゆく。長く国際報道にかかわった元新聞記者が、そうした潮流を冷静に見つめた時評集。先行きの見えない時代、タイトルにある「壊れ方」にこだわった視点が冴(さ)えてくる。

 著者はウィーン、モスクワ、ロンドンで特派員経験を持ち、描かれる対象も欧米からバルカン、ロシアと旧ソ連諸国、モンゴル、北朝鮮に及ぶ。政治・外交から経済、宗教にいたるまで目配りを怠らない。

 壊れゆく世界の中で、揺れ動く英国人の心のひだを覗(のぞ)き込むような時評群が強い印象を残す。常に思慮深く、感情を表に出すことのない英国人の現実主義--その奥深さとかなしさが見えるからだろうか。

 名曲の邦訳の誤りを考察する「“Let It Be”の意味」は、日本で一人歩きする「幸福な誤訳」から、極めてキリスト教的な歌詞の背景へと踏み込んでいく。作者ポール・マッカートニーとジョン・レノンの曲をめぐる確執、「権威」に抗し続けた作家、故なだいなださんの文章が引かれ、ビートルズの実像に深みと味わいが添えられる。(羅)
    --「今週の本棚・新刊:『世界の壊れ方 時評二〇〇八~二〇一二年』=町田幸彦・著」、『毎日新聞』2013年07月14日(日)付。

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[http://mainichi.jp/feature/news/20130714ddm015070040000c.html:title]


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世界の壊れ方: 時評 二〇〇八~二〇一二年
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