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覚え書:「進化するアカデミア―「ユーザー参加型研究」が連れてくる未来 [著]江渡浩一郎・ニコニコ学会β実行委員会 [評者]川端裕人」、『朝日新聞』2013年07月21日(日)付。


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進化するアカデミア―「ユーザー参加型研究」が連れてくる未来 [著]江渡浩一郎・ニコニコ学会β実行委員会
[評者]川端裕人(作家)  [掲載]2013年07月21日   [ジャンル]文芸 政治 


■学会ネット中継、視聴者も参加

 研究者が集う学会は創造性を加速させる場として古くから機能してきた。論文で研究成果を共有し、年次大会などを通じて研究者をつなげる。では、それを現在のネット環境を前提に補完するとどうなるか。著者が実行委員長をつとめる「ニコニコ学会β」はまさにその分野に切り込む。
 「ユーザー参加型研究の場」であり、論文よりも分かりやすいという理由で動画での研究発表が推奨される。既存の学会で重要視される「新規性」を緩く考えるなど参入ハードルを下げ、何よりも楽しく知的想像力をくすぐる内容が評価される。シンポジウムをネット生中継しユーザー(視聴者)がコメントする仕組みは画期的で、2011年の立ち上げからこれまで数十万人が視聴・コメントした。通常、万の単位の人が参加し発言する学会など想定しがたい。
 看板コンテンツのひとつ「研究してみたマッドネス」が象徴的だ。通常の学会に属さない経歴学歴不問の「野生の研究者」が主役。本能の赴くまま、気がつくと研究開発をしてしまっている人は世の中にはたくさんおり、しかし、その成果を共有することはこれまで難しかった。ここでは、まさにそういった「研究者」たちに発表の場が与えられる。
 例えば--ロボットの統合操作ソフトを開発し4トンの巨大ロボットを簡単に扱えるようにしたり、クリスマスが苦痛な人たちのためにメディアに溢(あふ)れる情報を差し替え・遮断する「クリスマスキャンセラー」なるものを実現したり……。前者はともかく後者はふざけすぎ? いや、これも「減損現実技術」と呼ばれる立派な研究。無駄にハイスペックに見えても、それは将来性の証しかもしれない。
 ネットの「ユーザー」である我々はこういった研究の場にいつでも参加出来るし、支援の仕組みもできつつある。興味を持った方は本書を、いや、それ以前にすぐにネット検索し関連動画を確認すべし。
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 イースト・プレス・1365円/えと・こういちろう 産業技術総合研究所主任研究員。メディアアーティスト。
    --「進化するアカデミア―「ユーザー参加型研究」が連れてくる未来 [著]江渡浩一郎・ニコニコ学会β実行委員会 [評者]川端裕人」、『朝日新聞』2013年07月21日(日)付。

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[http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2013072100004.html:title]


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