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覚え書:「今週の本棚・新刊:『現代オカルトの根源 霊性進化論の光と闇』=大田俊寛・著」、『毎日新聞』2013年07月28日(日)付。


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今週の本棚・新刊:『現代オカルトの根源 霊性進化論の光と闇』=大田俊寛・著
毎日新聞 2013年07月28日 東京朝刊

 (ちくま新書・840円)

 憎悪発言(ヘイトスピーチ)デモから一部の脱原発運動、政治家の「慰安婦」発言まで、「自分たちが純粋な被害者/誰かが陰謀を仕掛ける加害者」という単純な図式がどこか透けて見えがちな昨今だが、こうした二元論の源流を探るヒントになりそうな本だ。19世紀以降の欧米を中心に広く影響力を持った、霊魂が進化を続けるという「霊性進化論」の系譜をたどった。

 霊性進化論は、進化論と輪廻(りんね)転生思想の複合体である。独自の教育論で知られるルドルフ・シュタイナーからナチスドイツ、UFOや宇宙人と接触したとされるジョージ・アダムスキー、オウム真理教……さまざまな思想や新興宗教が、霊性進化論の系譜、影響下にあると論じる。

 霊性進化論は、進化論の台頭でキリスト教的価値観が揺らいだ後、近代科学と適合し得る信仰として登場した。だが、新しい装いで出現する度にほぼ必ず、単純な善悪二元論や自集団至上主義、陰謀論に陥った。こうした負の特徴は、現代日本では宗教以外の政治、思想など多方面に広がっているように思える。決して特殊な話ではない。何らかの「正義」にひかれた際、立ち止まって考えるための材料にしたい本である。(生)
    --「今週の本棚・新刊:『現代オカルトの根源 霊性進化論の光と闇』=大田俊寛・著」、『毎日新聞』2013年07月28日(日)付。

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[http://mainichi.jp/feature/news/20130728ddm015070013000c.html:title]


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