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生きるということは、それぞれの状況なりに、やはりしんどい

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 あたりまえのことだが、原発の計画さえなけえれば未来はバラ色、というわけにはいかない。原発計画がなくなっても、生きるということは、それぞれの状況なりに、やはりしんどい。それでも、それを「原発あり」で生きるか、「原発なし」で生きるかは、まるで違うと私は思う。
 ならば、やはり「原発なし」で、しんどい生を生きてゆきたい。祝島や珠洲の人びとは、そのしんどさを、安易に解決しようとはしなかったのだろう。
 「抵抗をしつづければ、原発は経済的に破綻して、撤退せざるを得なくなる」(序章の立花正寛さん)という言葉のとおり、珠洲の原発計画は「凍結」となった。いままた上関の原発計画も、原発をつくるための海の埋め立て免許が失効しつつある。
 どちらも、わかりやすい勝利とはほど遠い。それでも、たたかいの日々を実際に保ちこたえ、事実として原発をつくらせていない人びとが、祝島にも珠洲にもいる。
    --山秋真『原発をつくらせない人びと -祝島から未来へ』岩波新書、2012年、210頁。

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水曜日は授業が終わってから、かねてより約束していた青年と軽く一献の筈が重く一献となり、結局、終電の終点で起きてしまうというヤツをやってしまいましたが、有意義な時間を共有することができたことには、感謝の念のたえません。

原発の問題に限らず、なんらかのカタチで政治的イシューと連結した問題というのは、必ず「バラ色の未来」が“語り”としてでてきます。

そしてほとんどの場合、そのポスト・変革といったものが、どのようなカタチであれ、提示されたものとは違うものとなってしまうことも多い。

そしてそこで、「ああ、やっぱり“期待する”んじゃなかった」というシラケで退行していくというのがお約束のパターンだったのはではないかと思います。

しかし、喧噪をかき分けて、何かを変えていくということは、バラ色の未来が「棚からぼた餅」式にポンっと与えられるものではなくして、自分の昨日・今日・明日という時間軸の連続のなかで、1ミリでも不断にずらし続けていくことでなければならないのではあるいまいか。

そういうことを、奮闘する青年の姿から、実感した次第です。

鳴り物入りのキャッチコピーでもシニシズムに耽るでもなく、たえず現実と格闘し続けていく--そういう“担う”“引き受けていく”自分でありたいものです。

しかし、若い者には負けていられないね(苦笑

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