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「都市は人を自由にする」のか?

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村上春樹さんの近著『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)の主人公の生まれ故郷が愛知県名古屋市という設定になっている。

高校時代の幸福な学生グループに属した多崎が都内の大学へ進学後、なぜか、そのグループを追放されることになる。その謎を巡礼していくのが作品の筋だが、その名古屋を土日に旅してきました。

そこで少し感じたことですが少し覚え書きとして。

村上春樹さんは、その近著のなかで、名古屋は確かに大都市だけれども、実は、人間関係も緊密で、大都市の体をなしているけれども、田舎的なエートスとそんなに変わらない(趣旨)ことを、多崎に語らせますが、そのことを実感しました。

今回の旅の目的は、子どもが歴史に興味があるので名古屋城を見たいというのと、その名古屋市を舞台として活躍する「おもてなし武将隊」に合いたいというので、訪問したのですが、驚いたのは、「おもてなし武将隊」に対する「おっかけ?」の多いことでした。

円環内で完結するというのは、田舎の専有物かと思っておりましたが、決してそうではないのだな……そのことを実感しました。だからといってそれは名古屋に限定されるわけではなく、「構え」や「人口構成」をどの設定にとっても、これは日本の「都市」に見えない形で落とし込まれた「非・都市」なるものなのではないのかな、と。

なんでそんな光景を眼差したことがそういう話になるのか?っていうのはいまのところなかなか説明はできないのですけど、そういうのは、ピンと来ましてね。少し記録として残しておきます。

そして東京も例外ではないという話なんです。

まあ、田舎vs都市vs大都市という対立構造自体が、そもそもナンセンスであって、……そしてそれがいいのかどうなのか、さしあたり僕もよくはわからないんだけど……「都市は人を自由にする」というのは、日本では、まだ都市においても非都市においても、現出はしていないのだろう……とね。

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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
村上 春樹
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