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書評:スラヴォイ・ジジェク(長原豊訳)『2011 危うく夢みた一年』航思社、2013年。


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スラヴォイ・ジジェク(長原豊訳)『2011 危うく夢みた一年』航思社、読了。この年に何が起きたのか? アラブの春からウォール街占拠運動まで。変革の燎原の火は今や勢いを失ったが、保守の巻き返しと断じてよいのか。本書は運動に携わったジジェク自身が2011年を振り返り、総括する挑発の一書。

現代の特徴とは批判する側もされる側も土俵が同じということ。日雇い労働者も1%の富裕層も賃金に依存する。そう、私たちは資本主義の軛から自由になることは不可能だ。リベラルも社民主義もその隷属下。リベラルの迷走もそこにある。

「プロレタリアート独裁しか未来はない」。ラディカルかつ挑発的な提案だが、それは、20世紀に失敗したそれではないだろう。夢想的と嗤うことは簡単だが、ラディカルでなければ見えないことも存在する。その挑発はドクサへの挑発だ。

[http://www.koshisha.co.jp/pub/archives/423:title] その発想を字義通り受け取ることこそジジェクと対極の発想であろう。「衆愚の街(ゴッサム・シティ)におけるプロレタリア独裁」とは、私たちがこれから創造すべき課題なのだろう。


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