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書評:ロバート・D・パットナム編著(猪口孝訳)『流動化する民主主義 先進8カ国におけるソーシャル・キャピタル』ミネルヴァ書房、2013年。


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ロバート・D・パットナム編『流動化する民主主義 先進8カ国におけるソーシャル・キャピタル』ミネルヴァ書房、読了。宛になるようでならない人間の信頼関係。比重の置き方は難しいが、地域社会の良好な関係を「社会関係資本」と呼び、分析した著者が先進8カ国の過去半世紀の市民社会の変化を検証する。


英米仏独西墺日、スウェーデンを対象に、パットナムのほか各国を代表する政治学者行った比較研究。民主社会の形成は皮肉にも政治離れを招いたが、市民による地域社会への参画は不可能だから、その方途の再構築が必要になろう。

震災以降、注目を集めた言葉が「絆」。家畜を立木に繋ぎおく綱が元意、しがらみや束縛を意義。日本では、人間関係の内部結束型の揺らぎが指摘されるが、前時代的回帰の幻想の籠絡を振り払い、組み立て直す他ない。刺激的論考。

一概にはいえないのだけれども、設定したテーマや目的について、気軽に集合離散できる「場」をどのようにつくるのか。そして(幅広くいえば)「つるむ」ということにおいて、鉄の団結みたいな感ではなくて、よわい関係(ウィーク・タイ)で出入りできる場を構築し、そのエートスを薫蒸するしかないか。


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