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書評:東大社研・玄田有史編『希望学 あしたの向こうに―希望の福井、福井の希望』東京大学出版会、2013年。


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往復の新幹線のなかで、何冊か読んだのだけど、東大社研・玄田有史編『希望学 あしたの向こうに―希望の福井、福井の希望』東京大学出版会、がものすごく面白かった。今年の1番かもしれない。 

東大社研・玄田有史編『希望学 あしたの向こうに―希望の福井、福井の希望』東京大学出版会。そのうちレビュりますが、とりたてて不満はないけれども、実際は満足していないのが日本社会の特色とすれば、そこに挑戦するのが希望学。

読了して実感したのは……福井県に対する批判ではありませんよ……本書で表象されるメンタリティが、実はこれが否定的な日本的エートスを表しているのだろうと思いますが、この国のマジョリティというのは「不満はないけど、満足していない社会」なのじゃないかなと思いました。

幸福という指数は現在への評価だから現状維持へ傾く。希望という指数は未来への評価なので漠然としている。だけど、wish for something to come ture by action というものだとすれば、それを明確にしていかなければならない。そこを面倒がり、じり貧をごまかしていくのが私たちに刷り込まれた馴致なのだろうなあと実感しました。

本書は、そうしたドクサをうち破る挑戦の示唆に富むと同時に、痛感したのは、香川県ともにているなあとおもいました。幸福度(法政大学/2011)でいくと12位、学力でいくと福井県が2位ですが香川県は、5位。

同じように、(福井は豪雪で香川は水不足という天災はありますが)風土にめぐまれた穏やかな性格は、ややもすると、「不満はない社会」だから現状肯定のずるずるべったりへ傾く。しかし一人一人には可視化されていない「満足していない」ことがそれぞれあるのだから、それをどう未来に切り結んでいくのか。

非常に参考になりました。

[http://www.pref.fukui.lg.jp/doc/seiki/kibougakuforum.html:title]

[http://project.iss.u-tokyo.ac.jp/hope/index.html:title]

[http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-033070-1.html:title]


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