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覚え書:「政令指定都市 百万都市から都構想へ [著]北村亘 [評者]渡辺靖」、『朝日新聞』2013年09月22日(日)付。

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政令指定都市 百万都市から都構想へ [著]北村亘
[評者]渡辺靖(慶応大学教授・文化人類学)  [掲載]2013年09月22日   [ジャンル]社会 

■大都市戦略の欠如と課題説く

 かつては日本を代表する「100万都市」の象徴だった政令市。日本経済全体の牽引(けんいん)役であり、かつその果実を周辺地域に再分配すべく、広域自治体(道府県)に属しつつも、かなりの自律性を認められた特別な存在だった。
 ところが制度が導入された1956年から2012年までに、その数は当初の4倍の20都市へと膨張し、今では日本人の5人に1人が暮らす身近な存在になった。なかには東京都の区より人口が少ない政令市さえある。海外でなかなか理解してもらえない不思議な制度である。
 著者によれば、その一因は「人口50万以上の市」としか要件規定のない地方自治法にあるという。具体的な都市名も移行手続きも明記されぬまま、いつのまにか市町村合併促進などの手段となり、近年の膨張を誘発した。
 しかし、政令市の多くは昼間に流入してくる人口への行政サービスの提供、税収の激減、都市インフラの老朽化、生活保護者への対応などで支出圧力のみが高まるばかり。著しい機能低下に直面しているのが皮肉な実情で、その最たる例が大阪市だという。
 目指すべきは道府県主導の一元化(都構想)か、あるいは政令市の独立(特別市構想)か、それとも……。
 海外の事例にも目を配りつつ、20の政令市を丁寧に類型化し、それらを一括(くく)りに論じる愚を戒める。地方自治論の俊英による鋭い分析に何度も唸(うな)らされた。
 首長のリーダーシップばかりが問われがちな昨今、一個人の力量を超えた、よりマクロの制度的な観点から、日本の根幹を成す大都市戦略の欠如や課題を説き、今後の改革の方向性を論じる姿勢には好感が持てる。
 経済や文化をめぐる大都市間のグローバルな競争が熾烈(しれつ)さを増すなか、本書は政令市のみならず、日本の都市の未来をデザインするうえで必読の一冊となろう。
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 中公新書・882円/きたむら・わたる 70年生まれ。大阪大教授。『地方財政の行政学的分析』など。
    --「政令指定都市 百万都市から都構想へ [著]北村亘 [評者]渡辺靖」、『朝日新聞』2013年09月22日(日)付。

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[http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2013092200011.html:title]


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コメント

クーボー大博士は現在はダイセルの火山局にお務めだが、その昔SLD-MAGICという最高の金属を開発したことがあって、弟子入りしたものも多いと思われるが、サステナブルなものづくりは、今でいうビジネスモデル流通がとても重要だとおっしゃっていたのは印象的だった。

投稿: 播磨自動車工業会 | 2021年9月11日 (土) 12時43分

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