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覚え書:「今週の本棚・新刊:『天皇制国家と「精神主義」』=近藤俊太郎・著」、『毎日新聞』2013年10月13日(日)付。

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今週の本棚・新刊:『天皇制国家と「精神主義」』=近藤俊太郎・著
毎日新聞 2013年10月13日 東京朝刊

 (法藏館・2940円)

 1980年生まれの俊英による初の単著。浄土真宗で教学の近代化を達成した「精神主義」グループによる天皇制国家や侵略の肯定を、彼らの信仰の構造的帰結として論じた。

 キリスト者や仏教者らの教義に基づく「社会参加」と聞けば、福祉や平和などのイメージを持つ人が多いだろう。ただし、戦争協力もまた立派な「宗教者の社会参加」である。戦前、戦中の日本仏教は、その意味で積極的な社会参加をしていた。

 特定の教団が今も影響下にある思想潮流について、その祖である清沢満之(まんし)の言説から批判し抜いているのは、非常に興味深い。彼らの教義解釈が、天皇制国家というよりも社会総体に何ら批判的な視点を持てず、むしろ現状肯定だけに突進したとの指摘は説得的だ。単に「反戦僧侶を持ち上げ、教団の戦争責任を追及する」といった従来の研究とも、実は世に少なくない「清沢鑽仰(さんぎょう)」的な研究とも一線を画す。他方、徹底して「天皇制国家」との距離だけで信仰や思想の意義を測り、平民社や徳冨蘆花も批判する。別の意味で「社会性」や「歴史状況」に配慮した尺度も必要という気がしなくはない。著者の今後にも期待したい。(生)
    --「今週の本棚・新刊:『天皇制国家と「精神主義」』=近藤俊太郎・著」、『毎日新聞』2013年10月13日(日)付。

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