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覚え書:「今週の本棚・新刊:『フーコーの闘争 <統治する主体>の誕生』=箱田徹・著」、『毎日新聞』2013年10月27日(日)付。

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今週の本棚・新刊:『フーコーの闘争 <統治する主体>の誕生』=箱田徹・著
毎日新聞 2013年10月27日 東京朝刊

 (慶應義塾大学出版会・2625円)

 思想家、ミシェル・フーコーの権力論を、パリ五月革命など「68年」以後の政治経験の理論的到達点として描いた。著作が待たれてきた若手フーコー研究者による初の単著だ。

 たとえば、近年の脱原発運動を「国家や資本の権力対民衆の抵抗」的な素朴な枠組みに当てはめることはできよう。だがそれだけでは、社会変革の歴史的なダイナミズムは読み切れない。1970年代後半以降、フーコーは「統治」という概念を権力論に導入した。昔から人々は、国家などの権力を利用したり、その権力に取り込まれてきた。他方、革命など権力の意志からの逸脱や反作用も必ず生じてきた。本書の描くフーコーは、この総体を「権力と抵抗」の二元論ではなく、本来的に自由な主体それぞれが自他を統治し合い、互いの「真理」に導き合う動きの積み重ねだと、一元的かつ動的に理解する。日本の研究者らは、フーコー由来の概念を社会システムなどの堅固さを強調する文脈で使いがちだが、その正反対の議論とも言える。

 フーコーがイラン革命を取材し、解釈した例なども刺激的。社会運動関係者やジャーナリストにもヒントを与える本である。(生)
    --「今週の本棚・新刊:『フーコーの闘争 <統治する主体>の誕生』=箱田徹・著」、『毎日新聞』2013年10月27日(日)付。

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[http://mainichi.jp/feature/news/20131027ddm015070034000c.html:title]


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フーコーの闘争―〈統治する主体〉の誕生
箱田 徹
慶應義塾大学出版会
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