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覚え書:「今週の本棚・新刊:『出口なお 女性教祖と救済思想』=安丸良夫・著」、『毎日新聞』2013年11月17日(日)付。

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今週の本棚・新刊:『出口なお 女性教祖と救済思想』=安丸良夫・著
毎日新聞 2013年11月17日 東京朝刊

 (岩波現代文庫・1302円)

 戦前に大規模な宗教弾圧を受けたことで知られる大本教の開祖、出口なおの評伝という形で、明治期の民衆の精神を浮き彫りにした。民衆思想史の大家が1977年に刊行した本の文庫化である。

 本書は、「民衆とは、自己と世界の全体性を独自に意味づける権能を拒まれている人たち」であり、出口のような神がかりは、民衆が既存の秩序を拒否して「自己と世界との独自な意味づけ」をする特異な儀式だとする。特に出口の神がかりは、近代化により既存の権威や秩序自体が揺らぐなかで、終末論と救済論が一体となった教義を展開した。

 現在、高学歴化やインターネットを含む多様な情報収集手段の普及で、「民衆」は、誰もが自己と世界の全体性を独自に意味づけられるようになった。既存の教養などの権威失墜も著しい。ゆえに、韓国や中国を標的にしたヘイトスピーチ・デモなり、「福島差別」とまで批判される脱原発を通り越した放射能への恐怖心の扇動なり、極端な主張が流布しているのではないか。出口のようなスケール感や深みを持ち得ない救済なき終末論ばかりがはやる今こそ、改めて読まれるべき好著。(生)
    --「今週の本棚・新刊:『出口なお 女性教祖と救済思想』=安丸良夫・著」、『毎日新聞』2013年11月17日(日)付。

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[http://mainichi.jp/shimen/news/20131117ddm015070018000c.html:title]


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