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書評:川久保剛『福田恆存 人間は弱い』ミネルヴァ書房、2012年。


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川久保剛『福田恆存 人間は弱い』ミネルヴァ書房、読了。常に人間の本質を見つめ続けた批評家・福田恆存。

「人間は弱い」(副題)との自覚こそ福田の出発点であり徹底的な懐疑の源泉である。本書は保守派論客の軌跡と探究を甦らせる初の本格的評伝。

福田には保守反動という票が絶えずつきまとうが、チャタレイ裁判のように、一所に還元できない柔軟な生き生きとした思考が核にある。その源泉となるのが、徹底的な懐疑であろう。神田の職人の子として生まれた「生」の感覚がそれを担保する。

俗流インテリの風見鶏的態度に対する福田の批判的態度は、生命への信頼と同時に理性の無謬主義への嫌悪である。「見下し」を廃した福田の生き方は、あらゆるイズムを超え、近代主義の「仮象」を撃つ。若手研究者が生誕百(2012)年を言祝ぐ。

福田恆存は、「あてこすり」の名手だと思うけれども、その根柢の徹底した懐疑とは、実は人間に対する無限の信頼とワンセットになっているものなのではないのかな、フト思ったり。そういう至芸の如き「あてこすり」を現下、見出すことは殆ど不可能なのだけれども。

[http://www.minervashobo.co.jp/book/b102521.html:title]


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