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覚え書:「今週の本棚・新刊:『オバマの医療改革 国民皆保険制度への苦闘』=天野拓・著」、『毎日新聞』2013年12月01日(日)付。


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今週の本棚・新刊:『オバマの医療改革 国民皆保険制度への苦闘』=天野拓・著
毎日新聞 2013年12月01日 東京朝刊

 (勁草書房・3990円)

 アメリカの現在の政争の焦点である医療改革についての、本格的な本である。まず過去の改革失敗の歴史が述べられ、ついでオバマ大統領の改革が、共和党のロムニー知事がマサチューセッツ州で実現した制度を、全米に拡大しようとしたものであることが示される。共和党の強い反対にオバマが妥協しない理由がここにある。

 アメリカは先進国の中で唯一国民皆保険制度のない国であり、65歳以上の人を主な対象にする連邦政府が主管するメディケアと、低所得層を対象に各州が管理するメディケイド、それに企業(雇用者)が従業員に提供する民間保険があり、これに加入できない中小企業の人や個人は自分で保険会社と契約するか、無保険者になるかしかない。アメリカの医療費は驚くほど高い。保険料も高い。

 改革は従来の医療保険に入ることをアメとムチで義務づけ、無保険者が保険各社を比較できる組織を州ごとにつくる等である。

 これは国民皆保険とはちがう。著者は画期的というが、このパッチワーク(つぎはぎ)の改革は、この本の出版後、ボロを出しているように思える。(鷺)
    --「今週の本棚・新刊:『オバマの医療改革 国民皆保険制度への苦闘』=天野拓・著」、『毎日新聞』2013年12月01日(日)付。

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[http://mainichi.jp/shimen/news/20131201ddm015070029000c.html:title]

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オバマの医療改革: 国民皆保険制度への苦闘
天野 拓
勁草書房
売り上げランキング: 7,979

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