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覚え書:「今週の本棚・新刊:『劣化国家』=ニーアル・ファーガソン著」、『毎日新聞』2013年12月29日(日)付。


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今週の本棚・新刊:『劣化国家』=ニーアル・ファーガソン著
毎日新聞 2013年12月29日 東京朝刊

 (東洋経済新報社・1680円)

 BBC放送のリース・レクチャーという伝統ある講義シリーズがある。古くは外交史家のジョージ・ケナンが行ったものが有名だ。2012年度にニーアル・ファーガソンが行った講義を書籍したのが本書だ。

 現在の英語圏でもっとも多作な歴史家の一人であるファーガソンが、伝統ある講義で何を述べるのか。彼の念頭にあるのは、「西洋の没落」だ。かつてアダム・スミスが『国富論』の中で、「定常状態」とよんだもの、かつて豊かだったが成長を止めた国の状態に、現在西洋が陥っており、逆に非西洋諸国が大きな経済成長を続けている。それはなぜか。

 ファーガソンは、スミスが述べた通り、西洋諸国の「法と制度」が問題であると述べ、民主主義、資本主義、法の支配、市民社会の「4つのブラックボックス」が抱える問題を分析していく。世代間の社会契約再生の必要、複雑な規制、市民社会の衰退などは日本にも当てはまる。西洋諸国の「大いなる衰退」の最新の現状分析は傾聴に値する。しかし、制度が欠陥だらけでも、非西洋諸国が成長しているのはなぜか、「大いなる興隆」も、法と制度のおかげなのかは議論されていない。=櫻井祐子訳(市)
    --「今週の本棚・新刊:『劣化国家』=ニーアル・ファーガソン著」、『毎日新聞』2013年12月29日(日)付。

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