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覚え書:「広島・長崎市長からの手紙 ’14冬」、『毎日新聞』2014年01月09日(木)付。

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広島・長崎市長からの手紙 ’14冬

 核兵器の非人道性を問い、核廃絶を求める声が国際社会で広がっている。被爆地・広島と長崎の両市長は、日本政府の核廃絶へ向けたリーダーシップ発揮と、ケネディ大使を日本に送った米国の核軍縮に期待する思いを手紙にしたためた。2014年の新年にあたり、松井一実・広島市長と田上富久・長崎市長のメッセージを紹介する。

広島 松井 一実市長
政治家多く迎えたい

 昨年は核兵器の非人道性の国際的な認識の広がりとともに、改めて被爆地の求心力を実感した年でした。
 ブーク・イエレミッチ第67回国連総会議長は、初めての広島訪問後の演説で、核抑止論者に対して、広島を訪れ、平和記念資料館の視察と原爆死没者慰霊碑の碑文を読むように提案されました。また、キャロライン・ケネディ駐日米国大使も1978年の訪問を振り返り、「心を大きく揺さぶられた」「より良い平和な世界の実現に貢献したいと切に願うようになった」と35年を経た現在も、被爆地広島に特別な思いを持ち続けてくださっています。
 「迎える平和」を提唱する私としては、被爆地訪問が核兵器の非人道性と平和への思いを共有していただく良い機会であると改めて確認することができ、意を強くしています。
 昨年10月、「核兵器の人道的結末に関する共同声明」に我が国が初めて賛同したことも、被爆地の思いを日本政府が受け止めた結果であると思います。共同声明は核兵器廃絶に向けた125カ国の約束です。今後、我が国には、これらの国々をリードしてほしいと思います。まずは、4月に広島で開催される「軍縮・不拡散イニシアチブ」外相会合で、被爆地の思いを世界に発信し、2015年のNPT(核拡散防止条約)再検討會議の成功に向け積極的に取り組むことを期待します。
 今年来日されるといわれているオバマ大統領は「核兵器のない世界」を目指すとしていますが、今なお世界には1万7000発を超える核兵器が存在し、核超大国である米国等の更なる取り組みが求められます。ぜひ、大統領にも被爆地を訪問し、自身が目指す「核兵器のない世界」への決意を新たに取り組みを加速させていただきたいと願っています。
 今年、一人でも多くの世界の人々、特に為政者を広島に迎えたいと思います。そして、被爆者の切なる願いを真摯に受け止め、加盟都市が5800を超える平和首長会議が目指す20年までの核兵器廃絶に向けて我々とともに力を尽くしてくださることを期待しています。

長崎 田上 富久市長
核廃絶 意志の連鎖を
 キャロライン・ケネディ駐日米国大使が昨年12月10日、長崎に来られました。長崎での一連の活動の後、感想を問われた大使は、故ケネディ大統領が冷戦真っただ中に結んだ部分的核実験禁止条約の締結を誇りに思っていたこと、オバマ大統領も核軍縮に努めていること、そして大使も長崎で改めてその思いを強くしたことを話されました。短時間での精力的な行動と言葉の中に、父親が取り組んだ核軍縮というテーマを受け継ごうとする“意志”を感じました。
 実は「核兵器のない世界」を実現するためにもっとも大切なものは、この“意志”なのだと思います。
 昨年の平和宣言で長崎が問いかけたことの一つが、被爆国として「二度と世界の誰にも核兵器の惨禍を経験させない」という日本政府の意志でした。その後、国連で「『核兵器の人道的結末』に関する共同声明」に政府は自らの意志で初めて賛同しました。もちろん意志だけですべてが変えられるわけではありません。しかし、そこに向かおうとする意志がなければ道は切り開けません。
 プラハで意志を示したオバマ大統領には、できるだけ早く被爆地を訪れてほしいと願っています。核兵器のない世界は私たちの意志で実現できる、というメッセージを世界に向けて発するのに、これほど適切な場所はありません。国内外に多くのハードルがあると思いますが、ぜひ実現してほしいと思います。
 意志はリーダーによる“政治的意志”だけではありません。多くの普通の人々による“市民的意志”こそが、未来を変えていく最大の力です。今年も多くの人たちとともに核兵器廃絶に向けて歩き続けていきたいと思います。
    --「広島・長崎市長からの手紙 ’14冬」、『毎日新聞』2014年01月09日(木)付。

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