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覚え書:「今週の本棚・新刊:『東京の片隅』=常盤新平・著」、『毎日新聞』2014年01月12日(日)付。

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今週の本棚・新刊:『東京の片隅』=常盤新平・著
毎日新聞 2014年01月12日 東京朝刊

 (幻戯書房・2625円)

 亡き常盤新平のエッセイ集。一九九二年から二〇〇八年までに雑誌などに掲載されたエッセイをまとめたものである。自分の住む町のこと、昔なじみの町のこと、本で知る町のこと。本書では、実にさまざまな町が登場する。清新町(せいしんちょう)、西葛西、平井、神田、神保町、銀座、浅草など、挙げればきりがない。それらの町で著者が通う喫茶店、洋食屋、鮨(すし)屋、小料理屋の数々。そこで出される食事のじつに美味(おい)しそうなこと。またそこで出会う人々のじつに個性的で魅力的なこと。

 「とにかく歩くようにしている。そうすると、靴の底が減る。ガニマタだから、右は右踵(かかと)が、左は左踵が減ってくる。歩けるうちが元気なのだと思えば、靴が減るのもやむを得ない」(「歩くこと」)と、飄逸(ひょういつ)なつぶやきが随所に混じるのも常盤流。翻訳家・小説家・コラムニストにしてエッセイの名手。ページをめくるたび、どこかの町のどこかの店で、本を片手にゆっくりと時間を過ごしている著者の姿が見えてくる。本書に先立って刊行されたコラム集『私の「ニューヨーカー」グラフィティ』(幻戯書房)もまた、著者の本領が発揮された好著である。(ゆ)
    --「今週の本棚・新刊:『東京の片隅』=常盤新平・著」、『毎日新聞』2014年01月12日(日)付。

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