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覚え書:「みんなの広場 頭をよぎった大本営発表」、「みんなの広場 特攻、その非人間性に怒り」、『毎日新聞』2014年01月26日(日)付。


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みんなの広場
頭をよぎった大本営発表
元理髪業・88(山口県宇部市)

 終戦の時二十歳でした。玉音放送をラジオで聞いた時、戦争に負けたことより、解放感の方を強く感じました。戦争は勝つと信じていました。ラジオ放送の「大本営発表」で日本軍は常に優勢でした。だけど、それは違っていたのです。

 特定秘密保護法が成立した時、頭をよぎったのは「大本営発表」でした。戦争が終わって肉親が帰ってきました。白布に包まれた箱の中に石ころが二つ入っていました。

 私の住む宇部市も大空襲を受けました。B29が編隊で現れ、旋回しては焼夷(しょうい)弾をばらまきました。妹と必死に逃げました。ある時は低空飛行してきたグラマンから機銃掃射を受け、多くの人が死にました。

 一部の人の狂気と野望と思い上がりの上に始められた戦争です。今平和で物があふれている中に生かされています。若い命を散らした、いや散らされた方々に申し訳ない気持ちです。靖国神社には参りません。戦争のない平和がいつまでも続くことを念じます。
    --「みんなの広場 頭をよぎった大本営発表」、『毎日新聞』2014年01月26日(日)付。

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みんなの広場
特攻、その非人間性に怒り
無職・87(島根県大田市)

 本紙1月14日の現代史探検で「特別攻撃隊」を読み、69年前、志願者名簿に署名した夜を思い出した。
 予備生徒として5月5日滋賀海軍航空隊に入隊した私たちは6月に石山寺に行軍。ここで区隊の集合写真と個人写真を撮影、数日後、各自写真をもらって一時帰省許可。僅か1泊の慌ただしい帰省だった。
 その後、ある夜の就寝前に「特攻隊志願者名簿」が回ってくる。語調を拝命していた私は率先して署名したが、私の次のI君は「死ぬのはいやだな」とつぶやきながら署名。他にも声なき声があったと思うが全員が署名した。「同期の桜」を歌い士気を鼓舞した。
 結局、飛行機が無く、陸戦隊茅ヶ崎派遣隊に転属。ここで棒地雷を抱えて戦車の前に伏す捨て身の訓練中、敗戦で万事休す。
 特攻隊の戦死者が6000人もあるというのに入隊後3カ月の我々にまで特攻隊に志願させようとした軍部上層部の混乱ぶりとその非人間性に怒りと共に一抹の哀れさを感じる。
    --「みんなの広場 特攻、その非人間性に怒り」、『毎日新聞』2014年01月26日(日)付。

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