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書評:東京新聞社会部編『憲法と、生きる』岩波書店、2013年。


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東京新聞社会部編『憲法と、生きる』岩波書店、読了。東京新聞で半年に渡って連載された特集「憲法と、」の待望の単行本化。正反のイデオロギー論争の本ではない。「憲法とともに戦後を生きてきた人々の営みの記録」。  焦臭い今こそ手に取りたい一冊だ

トータルに人間の安全保障を骨抜きにする自民党憲法改正案に驚愕するのは私一人ではない。憲法と聞けば九条を思い浮かべるが、誠実な取材から「憲法と、生きる」人々の息吹を伝える本書は、国防だけでなくいかに「あたりまえの生活」を現憲法が保障していたか理解できる。

憲法とは国家権力を制限する基本法である。秘密保護法、国家安保戦略、新防衛大綱、靖国参拝等々……。立憲主義を否定する安倍首相は本気であろう。その知見を嗤うことは簡単だ。しかし安倍首相と同じくらい私たちも憲法に対して曖昧ではなかったか。

権力と妥協しない生き方、人間として最低限の生存を保障されるための戦い、本書で示される人間像は、9条だけでなく基本的人権や健康で文化的に生きていく権利を空気の如く保障してきた現行憲法のアクチュアリティを浮かび上がらせる。

「日本を取り戻す」ことよりの必要なことは何か。私たちの生活の中に「憲法を取り戻す」ことであろう。「本書に登場するような人々の行動によって、私たちの民主主義は磨かれている」。さあ、次に磨くのは私たちの番である。現代社会を理解する上で必携のドキュメント

[http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0227970/top.html:title]


なお、本日2月22日の報道より↓

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 自民党の野田聖子総務会長は21日の記者会見で、安倍晋三首相が表明した集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を巡り、総務会メンバーの懇談会を近く開いて協議する考えを示した。この日の党総務会で、ベテラン議員から「党内議論が置き去りだ」と批判が続出したためだ。首相の私的懇談会「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が4月にも報告書を提出するのを控え、憲法解釈の変更に前のめりな首相と、慎重姿勢の公明党を含む与党との綱引きが始まっている。【小山由宇、高橋恵子】

 「党内議論も経ずに閣議決定していいのか。なぜ首相はそんなに急ぐのか」。この日の総務会では、まず村上誠一郎元行政改革担当相が執行部にかみついた。石破茂幹事長と高市早苗政調会長は、野党時代に作った2012年衆院選公約にも集団的自衛権の行使容認が含まれている、と理解を求めたが、野田毅税調会長も「(歴代政権の憲法解釈を巡る)先輩たちの積み重ねをないがしろにしてはいけない。重い問題だ」と指摘。野田総務会長は「懇談会を開く」と場を収めた。

 首相は衆院予算委員会で憲法解釈変更について「最高責任者は私だ」などと強調。党側の慎重論の背景には、首相の姿勢が与党を軽視しているとのいらだちや、拙速な解釈変更への懸念がある。解釈変更が先行すれば党是の憲法改正が遠のきかねないという事情もある。石破氏は会見で「政府と与党の一致はきちんと図らなければならない」と述べ、脇雅史参院幹事長も「閣議決定だけ先行しても、あまり意味がない」と語った。

 一方、公明党の井上義久幹事長は21日の会見で「国民的な合意が必要で、十分慎重に議論すべきだ」と述べ、集団的自衛権の行使容認に慎重な姿勢を改めて強調した。

安保懇・北岡氏が報告書骨子を公表
 阿部晋三首相が設置した安全保障に関する有識者懇談会の座長を務める北岡真一国際大学長は21日、東京都内の日本記者クラブで講演し、集団的自衛権の行使容認に関し、朝鮮半島有事に対応するため、あらかじめ周辺事態法の改正を想定していると明らかにした。4月に政府へ提出する報告書の骨子を公表し、現行の憲法解釈で禁じられている集団的自衛権行使を容認すべきだと明記した上で、行使は「日本と密接な関係にある国が攻撃を受けた場合」などに限定する方針を示した。
 報告書骨子では、実際の行使に際し、同盟国や友好国など連携相手から明示的な要請があった場合に限定する必要があると指摘。韓国などを念頭に、自衛権行使に当たって第三国の領域を通過する場合には許可を得ることを条件に挙げた。地理的な制約は設けないと強調する一方、「地球の裏側で日本の安全保障に深く関わる事態は実際にはない」との認識を示した。
    --「集団的自衛権 懇談会で議論へ」、『毎日新聞』2014年02月22日(土)付。

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[http://mainichi.jp/shimen/news/20140222ddm005010115000c.html:title]


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