« 覚え書:「ひと:丸山健二さん=古典的名作を超訳」、『毎日新聞』2014年01月30日(木)付。 | トップページ | 覚え書:「銀座にはなぜ超高層ビルがないのか [著]竹沢えり子 [評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)」、『朝日新聞』2014年01月26日(日)付。 »

覚え書:「本を愛しすぎた男 本泥棒と古書店探偵と愛書狂 [著]アリソン・フーヴァー・バートレット [評者]出久根達郎(作家)」、『朝日新聞』2014年01月26日(日)付。


301


-----

本を愛しすぎた男 本泥棒と古書店探偵と愛書狂 [著]アリソン・フーヴァー・バートレット
[評者]出久根達郎(作家)  [掲載]2014年01月26日   [ジャンル]文芸 


■紙の本の利点美点がいっぱい

 一九八八年春、骨董(こっとう)品の大箱を十五ドルで買った郷土史家が、『タマレーン、その他の詩集』と題された小冊子を発見した。作者は「ボストン人」と記されていた。郷土史家はサザビーズのオークションに出品した。それは十九万八千ドルで競売にかけられた。
 一八二七年に出版されたエドガー・アラン・ポーの最初の詩集だったのである。現在までに十四冊しか発見されていない。
 このような掘り出し奇譚(きたん)の好きなかたなら、本書を面白く読むだろう。高価な稀覯(きこう)本を盗みまわる四十代半ばの男の物語だからである。彼が一向に捕まらないのは、転売しないからだ。彼は本を読まない。本に性的魅力を感じて盗み、盗品を並べて眺めて楽しむ。著者はなぜこんな男に執着し、本を書いたのだろう。
 あと味の悪い本なのである。それなのに評者があえて取りあげた理由は、電子書籍の時代なら絶対にありえない内容だからである。紙の本ならではの利点美点が満載なのだ。
    ◇
 築地誠子訳、原書房・2520円
    --「本を愛しすぎた男 本泥棒と古書店探偵と愛書狂 [著]アリソン・フーヴァー・バートレット [評者]出久根達郎(作家)」、『朝日新聞』2014年01月26日(日)付。

-----


[http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2014012600014.html:title]

Resize0123


本を愛しすぎた男: 本泥棒と古書店探偵と愛書狂
アリソン・フーヴァー・バートレット
原書房
売り上げランキング: 23,975

|

« 覚え書:「ひと:丸山健二さん=古典的名作を超訳」、『毎日新聞』2014年01月30日(木)付。 | トップページ | 覚え書:「銀座にはなぜ超高層ビルがないのか [著]竹沢えり子 [評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)」、『朝日新聞』2014年01月26日(日)付。 »

覚え書」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/451663/54822996

この記事へのトラックバック一覧です: 覚え書:「本を愛しすぎた男 本泥棒と古書店探偵と愛書狂 [著]アリソン・フーヴァー・バートレット [評者]出久根達郎(作家)」、『朝日新聞』2014年01月26日(日)付。:

« 覚え書:「ひと:丸山健二さん=古典的名作を超訳」、『毎日新聞』2014年01月30日(木)付。 | トップページ | 覚え書:「銀座にはなぜ超高層ビルがないのか [著]竹沢えり子 [評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)」、『朝日新聞』2014年01月26日(日)付。 »