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書評:柳博雄『私もパーキンソン病患者です。』三五館、2013年。

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柳博雄『私もパーキンソン病患者です。』三五館、2013年、読了。著者は新聞記者を定年後、病に倒れた。闘病生活は5年目を迎える。本書は自身の闘病の中で「高齢障害者医療や介護保険制度の行く末」(副題)を綴った一冊だ。矛盾と問題の指摘は実に精確である。 

著者は、介護認定「4」、肢体不自由2級。本書の執筆も1日2時間が限度で300日かかった。「障害者になったり、難病を経験するのは誰にでも起こりうる当たり前のこと」という。それは「一部の人」の問題ではないし、高齢者問題とは即ち障害者問題でもある。

誰もが老いを免れることはできないが、その最前線は、日本社会の福祉政策の貧困さの最前線でもある。「オレには関係ない」という無関心が先細りを加速させたとも言える。本当に関係ないのか。闘病中の方だけでなく、若い人にも是非手に取って欲しい一冊。

(以下は蛇足)
たまたま患者さんをリハビリ科へ送迎した時、受付に見本があったので気になって図書館で読んだ。看護助手としてパーキンソン病の患者さんが多い病棟で看護助手をしてるのですが、言葉になりにくい不都合や痛みを当事者が言語化する執念に胸衝かれる。

高齢者問題とは即ち障害者問題でもあるというのは、まさにまさに。パーキンソンに限らず、加齢が人間の動作の自由を奪っていくのは必然な訳だけから、ホント、「つかえない人間は役に立たない」みたいなエセ合理主義とは訣別しておかないと、国家の思うつぼになる。

動くことが不自由である=(非)生産的・活動的人間=税金を収めることができない人間=人間として役に立たない……って国家や権力の側が都合のいいように演出した人間観に他ならず、このことからどれだけ自由になることができるかどうかが、人間を人間として尊重することに繋がるのではあるまいか。

[http://www.sangokan.com/books/978-4-88320-599-8.html:title]


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柳 博雄
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