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書評:宮崎賢太郎『カクレキリシタンの実像 日本人のキリスト教理解と受容』吉川弘文館、2014年。


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宮崎賢太郎『カクレキリシタンの実像 日本人のキリスト教理解と受容』吉川弘文館、読了。第一人者の著者は30年近くに渡る聞き取り調査に基づき、「カクレキリシタン」とは隠れたキリスト者ではなく日本化した土着信仰としてその受容を考察する一冊。 

「『カクレキリシタン』が今日まで大切に伝えてきたものは本当にキリスト教だったのか」(編集者)。キリスト教解禁後、カトリックに戻らなかった信者は多い。弾圧に耐え守り抜いたのは何か。著者は現行のキリスト教とは異なる日本的受容と見て取る。

ラショは確かに意味の分からない経文として伝承されるように、弾圧に耐えたキリシタン像(内面)だけでないその豊かな内実(外面の伝承)を本書は明らかにする。単純な連続否定は横に置くが、絶対下における受容の足跡に学ぶ点は多い。

昭和前期の「日本的基督教」の主張に比べると、評者はキリスト教のキリシタン化にはまだその断絶よりも僅かな連続性に光明を見る。それが先祖崇拝との混交としても次代へ伝え続けたところに魂があるからだ。権力馴致でない「和服の~」を再考するきっかけになろう。
※「和服の~」つうのは遠藤周作のいう「和服のキリスト教」であって、これも単純なシンクレティズムによる変容や、「皇運を扶翼する」といったかたちの権力に連動した土着化でもない、「輸入品」ではない、同地の理解といいますか、土着化でありながら、異なるものと連動したものといいますか。

[http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b147007.html:title]


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