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覚え書:「今週の本棚・新刊:『食彩の文学事典』=重金敦之・著」、『毎日新聞』2014年03月02日(日)付。

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今週の本棚・新刊:『食彩の文学事典』=重金敦之・著
毎日新聞 2014年03月02日 東京朝刊

 (講談社・1785円)

 漱石『吾輩は猫である』の雑煮から幸田文『台所のおと』のお茶まで日本文学に描かれた食の場面が次々に紹介されてゆく。日本の作家たちはこんなにも食を描いていたか。

 作家と好物の関係が面白い。鱧(はも)が好きだった谷崎潤一郎、鮟鱇(あんこう)好きの坂口安吾、鰻(うなぎ)に目がなかった斎藤茂吉、蟹(かに)を食べに何度も越前海岸に出かけた開高健。他方、三島由紀夫は蟹が苦手。字を見るのも嫌だった。

 多様な作家、作品が取り上げられてゆく。実によく調べている。例えば豆腐の項。

 豆腐好きで知られた大村益次郎を描いた司馬遼太郎の『花神』の紹介から始まる。次いで、京都の豆腐店森嘉(もりか)を有名にしたという川端康成の『古都』、東京の豆腐料理店笹乃雪が登場する乙川優三郎の『麗しき花実』、さらに江戸の豆腐職人を主人公にした山本一力の『あかね空』、このあとさらに宮部みゆき、池波正太郎、獅子文六らが続き、最後は種村季弘で終わる。

 豆腐ひとつでこれだけの文学者が紹介される。よしもとばななをはじめ現代作家も多い。こうしてみると日本文学の大きな特色は食の場面が多彩であることかもしれない。(川)
    --「今週の本棚・新刊:『食彩の文学事典』=重金敦之・著」、『毎日新聞』2014年03月02日(日)付。

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