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覚え書:「今週の本棚・新刊:『時のイコン 東日本大震災の記憶』=六田知弘・著」、『毎日新聞』2014年03月09日(日)付。


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今週の本棚・新刊:『時のイコン 東日本大震災の記憶』=六田知弘・著
毎日新聞 2014年03月09日 東京朝刊

 (平凡社・2625円)

 東日本が大津波に襲われた3年前、一夜明けた宮城県沿岸部を歩き、流されたモノの多さに言葉を失った。目を凝らすと、家具や食器、人形など数え切れないほどのモノが、汚泥にまみれて散乱しているのが見えた。前日まで、持ち主の生活の中にあったはずだが、その様子をうかがい知ることはできなかった。

 本書では、それら一つずつを写真に収め、「時のイコン」と名付けた。カメラマンの著者が被災地で足元に落ちているモノを見つけ、その場で撮影した。白い紙を持ち歩いて下敷きにしたのは<より鮮明にモノたちの声を聞くためである>という。それぞれの作品には、モノを発見した場所と日付が記されており、白い紙の上に散らばる砂や泥の跡も痛々しくみえる。

 震災直後からのブログの抜粋も収録した。大きな揺れの後、カメラマンとしてできることを見つけ出すまでの心境の変化がつづられている。

 岩手、宮城両県で発生した震災がれきの処理は今月末までに完了する見通しという。じっくり作品を眺めていると、モノたちが最後の声を振り絞っているようだ。その声に耳を澄ませてほしい。(唯)
    --「今週の本棚・新刊:『時のイコン 東日本大震災の記憶』=六田知弘・著」、『毎日新聞』2014年03月09日(日)付。

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[http://mainichi.jp/shimen/news/20140309ddm015070008000c.html:title]

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時のイコン: 東日本大震災の記憶
六田 知弘
平凡社
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