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覚え書:「今週の本棚・新刊:『無形民俗文化財が被災するということ』=高倉浩樹、滝澤克彦・編」、『毎日新聞』2014年03月09日(日)付。

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今週の本棚・新刊:『無形民俗文化財が被災するということ』=高倉浩樹、滝澤克彦・編
毎日新聞 2014年03月09日 東京朝刊

 (新泉社・2625円)

 東日本大震災による宮城県での無形民俗文化財(祭礼や民俗芸能など)の被災と復興をまとめた。県の委託で東北大などの研究者約20人が関わった調査の報告集だ。文化財の被災を語るには、当該地域の歴史や産業の解説が欠かせない。読み進めていくうちに、同じ県の同じ沿岸部と思えないほどバラエティーに富んだ地域があると知ることができる。

 無形民俗文化財の復興が地域の再出発のシンボルとなった例もある。他方、これらの文化財は、震災前から、さまざまに変化してきた。宮城県は、人口の半分弱が仙台市民という極端に一極化した県でもある。仙台から遠いと高齢化や過疎化、仙台周辺では都市化による新住民の増加など、「伝統継承」の妨げになる要素は幾重にもあった。いったんは途絶えた芸能が、同名だが完全に新しい内容で「復活」した例もある。震災は、こうした既にあった変化や矛盾を一気に表面化させたと分かる。

 形のない文化財の復興は、道具の新調や新しい担い手育成だけでは済まない。復興のあり方は、地域がどんな環境にあり、どこへ向かうかを示す。今後も追跡調査をしてほしいと強く思った。(生)
    --「今週の本棚・新刊:『無形民俗文化財が被災するということ』=高倉浩樹、滝澤克彦・編」、『毎日新聞』2014年03月09日(日)付。

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[http://mainichi.jp/shimen/news/20140309ddm015070021000c.html:title]

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