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覚え書:「発言:海外から ネットで対話から信頼へ=朴裕河」、『毎日新聞』2014年03月12日(水)付。

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発言
海外から
ネットで対話から信頼へ
朴裕河(パクユハ) 世宗大教授

 昨春、日本語のツイッターを始めた。「在日特権を許さない市民の会」(在特会)会長が「朝鮮半島有事の際は朝鮮人狩りに出る」と発言した時からだ。主に植民地支配や従軍慰安婦問題など日韓関係いついて書いている。疑問や非難も次々に押し寄せ、時に「死ね」と言われながらも、共感と応援の言葉を寄せてくれる日本人もたくさんいる。今では細いながらも確実な信頼のパイプが築けている。
 目指したのは、さまざまな情報に影響されて「嫌韓」へ傾いていく人たちに、とどまって聞いてもらい、考えてもらうことだった。無条件に日本を擁護するか、非難するかの両極端ではなく、自国の問題を見つめつつ、相手の考えや立場を理解しようとする人々の空間を広げたかった。誤解と偏見、怒りとあきらめによる対話の断絶が、不和の固着(冷戦)か武力衝突に行くのは歴史が証明しており、避けたかった。
 同じことを韓国語のフェイスブックでも試みている。慰安婦問題をめぐる「強制性」が必ずしも韓国人が信じている通りでないことや、仏中部アングレームでの国際漫画祭に出された韓国の漫画を批判すると反発者が続出したが、それ以上に支持者も多かった。日本と同様、最初は批判した人が耳を傾けるようになることも多い。
 現実には韓国人の中心的な考え方と異なる考え方は発言しにくい状況だが、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)では恐れずに発言したり、公に賛同を示してくれていたりする。積極的に発言しなくても、見守る中で考え方を変える人もいるはずと考えている。自己批判もしつつ、日本について少し冷静に見つめようとする「共感共同体」のようなものが、まだまだ小さいながらできつつある。
 2012年夏以降こじれてしまった日韓関係は、ますます深刻化している。もはや両国政府に問題解決の力がないということだろう。今こそ民間の力を集めるべきではないだろうか。偏った情報や言葉に振り回されずに問題の根源を見つめ、国家を代弁するのではなく相手の立場や思いに耳を傾けることが必要だ。それぞれの場で対話可能な信頼の空間を作っていくことだけが今の状況を変えられるだろう。小さな東アジア共同体が無数につながる日を目指している。【構成・大貫智子】
    --「発言:海外から ネットで対話から信頼へ=朴裕河」、『毎日新聞』2014年03月12日(水)付。

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