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覚え書:「書評:江戸の化物 草双紙の人気者たち アダム・カバット 著」、『東京新聞』2014年03月16日(日)付。


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江戸の化物 草双紙の人気者たち アダム・カバット 著

2014年3月16日

◆遊び心くすぐる妖怪
[評者]横山泰子=法政大教授
 「草双紙(くさぞうし)」と聞いて瞬時にその意味を理解できる日本人は、今日どれくらいいるだろうか。草双紙とは江戸時代の絵入りの読み物のことである。子ども向けから大人向けまでさまざまあるが、絵と文章の融合によって成立していて、遊び感覚で読まれた。文章はほとんどひらがな表記(くずし字)なので当時は読みやすかったはずだが、現代の日本人には外国語以上に難しく、存在すらあまり知られていない。
 そんな草双紙に魅了されたのが、ニューヨーク出身のアダム・カバット氏である。日本の正統派近代文学を研究してきた氏は草双紙に描かれた化物(ばけもの)に心惹(ひ)かれ、「美」の世界から「醜」、もとい「怪」の道に入られた。草双紙全体の歴史の上で化物像の変遷を跡づけた点が本書の特色で、彼の化物愛につられて読めば江戸期の妖怪文化の面白さがよくわかる。私たちが水木しげるの妖怪マンガなどで慣れ親しんできた、豆腐小僧や河童(かっぱ)などの先祖は草双紙の中で躍動していたのだ!
 妖怪や江戸文化に関心を持つ人には、発見の多い一冊となるだろう。草双紙はマンガに似ているといわれるが、今や世界的に注目されている日本のマンガ文化やキャラクター文化の根を探るうえでも、一読に値する。そして、草双紙を知らなかった方は、この書で「未知との遭遇」ができるはずだ。
 (岩波書店・2520円)
 Adam Kabat 1954年生まれ。武蔵大教授・近世文学。著書『妖怪草紙』など。
◆もう1冊 
 水木しげる著『決定版 日本妖怪大全』(講談社文庫)。伝承される日本の妖怪やお化けを網羅したイラスト事典。
    --「書評:江戸の化物 草双紙の人気者たち アダム・カバット 著」、『東京新聞』2014年03月16日(日)付。

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[http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2014031602000177.html:title]

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江戸の化物――草双紙の人気者たち
アダム・カバット
岩波書店
売り上げランキング: 66,625

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