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覚え書:「今週の本棚・新刊:『憲法第九条 大東亜戦争の遺産』=上山春平・著」、『毎日新聞』2014年03月30日(日)付。

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今週の本棚・新刊:『憲法第九条 大東亜戦争の遺産』=上山春平・著
毎日新聞 2014年03月30日 東京朝刊

 (明月堂書店・2400円+税)

 一昨年死去した新京都学派の哲学者が、1960年代に記した憲法論をまとめた。戦争体験に基づきつつ、実に自由な発想で憲法をとらえていたことに今更ながら驚いた。

 戦中に人間魚雷回天の乗組員だった著者は、「あの戦争」を「大東亜戦争」と呼ぶ。「太平洋戦争」と呼べば、米国の立場に日本人を同一化させてしまう。戦争肯定ではなく戦争責任を引き受けるため、著者は「大東亜戦争」という言葉を選んだ。

 現行憲法を「押しつけ」と認め、自分は必ずしも護憲論者ではないとする。ただし、非武装規定を含むこの憲法は、国際社会に「押しつけられた」一種の国際的な協約だとみる。つまり、米国はもちろん、中国やソ連など制定を承認した国々は、非武装日本の安全を保障する責任がある。だからこそ、この憲法は従来の(武装を前提とした)主権国家概念を超える契機を持つ、人類初の憲法だとも評価する。

 今の論壇と真逆の、いわば身体感覚に裏打ちされた思考の強さを感じた。ちなみに、解題を元京大助手、たけもとのぶひろが記している。全共闘時代のペンネーム、滝田修で知られる人物だ。(生)
    --「今週の本棚・新刊:『憲法第九条 大東亜戦争の遺産』=上山春平・著」、『毎日新聞』2014年03月30日(日)付。

[http://mainichi.jp/shimen/news/20140330ddm015070055000c.html:title]

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憲法第九条 大東亜戦争の遺産―元特攻隊員が託した戦後日本への願い
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