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日記:「憲法自体が“憲法違反の存在”」とはこれいかに

2月26日の参議院憲法審査において自民党副幹事長赤池誠章議員が「憲法自体が“憲法違反の存在”」という頓珍漢な発言をぶちまけた。
詳細はBLOGOSの書き起こし↓
[http://blogos.com/article/81238/:title]

そもそもその親玉の安倍晋三首相が立憲主義を否定し、橋下閣下よろしくオレが「最高責任者」だなどとのたまうものですから、珍説のオンパレード!

しかし嗤っていられないのも事実です。同珍説において、“現行憲法の「正当性のない制定過程」「日本の歴史から断絶した憲法内容」「民意」”を諸悪の根元と読み解くようですが、

1)制定ですから「手続き」に注視しなければならないわけですから、帝国議会における審議や枢密院に諮詢を経過しているわけですから、一様に「おしつけ」などということができない訳ですし、憲法草案がGHQ案ということで「おしつけ」と理解して対案してみた場合も、「日本国憲法が占領軍に押し付けられたことは、歴史的事実だと思う。しかし、愚かな戦争を選択し、悲惨な負け方をした当時の日本人には、日本国憲法のようにすばらしい、世界の常識にかなった憲法を自ら勝ち取る力はなかった。押し付けられて、何の問題もないじゃないか」(小林節)という指摘もある(「自民党の改憲論は憲法改正ではなく憲法破壊論だ=小林節」、『週刊 東洋経済』2013.6.29号)。


2)「日本の歴史から断絶した憲法内容」として同議員が指摘する両性の平等をはじめとする基本的人権の尊重などを「日本の歴史から断絶した」ものととらえるならば、日本思想史における「基本的人権の尊重論」は、スターリン憲法に由来するだけでなく、近代日本思想史においては、福沢諭吉や吉野作造をはじめとし、論者に事欠くことはないので、これも妄想甚だしいというところで、

3)最後の「民意」に関しても、自民党の圧勝は、「憲法改正」に対する支持よりも「景気回復」に期待してのこと……。

議員は、明治大学政治経済学部政治学科出身とのことですが、何を勉強してきたのでしょうか。親分と一緒に勉強をし直して欲しいと思います。

さて、同氏の「香ばしい」ブログ記事「日蓮聖人の『立正安国論』に学ぶ:赤池誠章」( 2009年11月25日)を参照すると、曰く「私が尊敬する政治家は石橋湛山です。その湛山は日蓮宗管長の子息であり、法華経の影響で育ちました」。

[http://akaike.blog-freejapan.jp/%E6%97%A5%E8%93%AE%E8%81%96%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%80%8E%E7%AB%8B%E6%AD%A3%E5%AE%89%E5%9B%BD%E8%AB%96%E3%80%8F%E3%81%AB%E5%AD%A6%E3%81%B6:title]

……とのことだそうですが、尊敬する石橋湛山さんやその思想的根拠となる法華経や日蓮さんは、赤池議員とは対極の立場であるわけで、さすがにひっくりかえってしまいました。

石橋湛山さんこそ、大日本帝国憲法とその植民地主義と戦った人物であり、法華経に涵養された日蓮さんは、「囗+玉」よりも「囗+民」として「国(くに)」を脱構築して「立正安国」を説いたわけなのですが、なんだかもう、ぐったりですよ。


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