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覚え書:「生まれ変わる「パンキョウ」 身体使ってコミュニケーション」、『朝日新聞』2014年03月28日(金)付。

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生まれ変わる「パンキョウ」 身体使ってコミュニケーション=訂正あり
2014年3月28日05時00分

(写真キャプション)「身体知」の授業で創作ダンスを披露する慶応大の学生たち=同大提供
 1990年代初頭までに大学入学した世代にはなじみのカリキュラム「一般教養」が、不遇の時代を経て復権を遂げようとしている。かつては大教室での一方的な講義が目立ち、「パンキョウ」と軽んじられたが、グローバル化時代に「専門領域を超えた幅広い教養が、コミュニケーション力を養う」と再評価されているためだ。踊りや音楽を採り入れるなど、工夫を凝らした授業スタイルも登場している。

 理工系のトップレベルの学生が集まる東京工業大。真っ暗な大教室に、学生約50人による「チャッ、チャッ、チャッ、チャッ」のリズムが響き渡る。同大リベラルアーツセンターの上田紀行教授(文化人類学)は「文化社会論」の授業で年1回、インドネシア・バリ島の舞踊「ケチャ」を学生に実体験してもらっている。

 教養教育を担うリベラルアーツセンターは2011年に新設。文化社会論は、差別や暴力など「生きづらさ」の背景にある社会構造について、異文化を学び克服の可能性を探る。祭りや芸能への参加経験が少ない学生に汗だくになってケチャを体験してもらい、他者とのコミュニケーションを感じる力を養う狙いがある。

 上田教授は「自分のことをコミュニケーション障害を略した『コミュ障』と呼ぶ学生が増えている。ケチャの一体感を通じて、自分がいれば世界が変わるという感覚を味わってもらいたい」と話す。

 慶応大教養研究センターは10年度、「身体知」と名付けた授業を単位化した。学生は文学、音楽などから選んだテーマをまず言葉で批評。授業終盤には言葉に頼らず、自作のダンスや絵を通じて自らの思いを伝える。ビートルズをテーマにイエロー・サブマリンにあわせラジオ体操をする学生もいれば、現代詩をちりばめた絵を描く学生もいる。

 担当する法学部の武藤浩史教授は「体を動かして創作することで、型破りな発想や言語以外のコミュニケーション力を育む狙いがある」と話す。

 

 ■国際化で教養に期待

 もともと大学の「一般教養」のカリキュラムは、幅広い知識を身につけて豊かな人間性を作ることを目的に、1956年の大学設置基準によって必修化された。だが、実際は大教室での一方的な講義スタイルが多く、高校教育の延長のような内容は「パンキョウ」と軽視されがちだった。

 91年に大学設置基準が緩和されると、人文科学や自然科学などの授業科目の区分や履修単位を大学が自主的に決められるようになった。大半の大学が一般教育を担う教養部を廃止し、専門重視の流れが強まった。

 風向きを変えたのは、グローバル化への対応だ。価値観や文化的背景の異なる外国人との交流が重視されるようになり、教育界や産業界からは、コミュニケーション力を養う「潤滑油」として一般教養に期待が集まるようになった。

 京都大は13年度に教養教育を一元的に担う「国際高等教育院」を新設した。93年に一般教養を担う教養部を廃止したところ、学生の知識が専門分野に偏る傾向がみられるようになったという。13年度からの5年間で新たに外国人教員を計100人雇い、国際的な教養教育の充実を目指す。同院は「国際的に通用する研究を進めるにも、英語力と幅広い教養は必須の状況になっている」と話す。

 大学の枠を超えて教養教育を充実させる動きもある。京都工芸繊維大、京都府立大、京都府立医科大の公立3大学は、14年度から教養教育を共通化する予定だ。京都の歴史や伝統産業を体験的に学ぶ京都学など約70科目を用意し、3大学の学生が共同で学ぶリベラルアーツゼミも開講する。取得単位は自大学の単位として認められる。

 和歌山大も12年に教養の森センターを開設し、4学部の教養科目を八つの科目群に編成し直した。4学部の教員が集まって展開する教養の森ゼミナールや、地元産業などを学ぶ「わかやま学」などを開講した。

 日本教育学会長の藤田英典さんは「グローバル化が進み、他者と協働しながら新たな価値を生み出すために教養が再評価される時代になった。参加型の教養教育は既成の枠にとらわれず、自由にチャレンジし発想する力を育む潤滑油となる」と話す。(渡辺洋介)

 

 <訂正> 28日付「生まれ変わる『パンキョウ』」の記事で、京都工芸繊維大、京都府立大、京都府立医科大の「公立3大学」とあるのは「国公立3大学」の誤りでした。京都工芸繊維大は国立大です。訂正します。 
    --「生まれ変わる「パンキョウ」 身体使ってコミュニケーション」、『朝日新聞』2014年03月28日(金)付。

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[http://www.asahi.com/articles/DA3S11053167.html:title]

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