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覚え書:「特定秘密保護法に言いたい:新聞は権力監視の自覚を 小樽商科大教授・荻野富士夫さん」、『毎日新聞』2014年03月31日(月)付。


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特定秘密保護法に言いたい:新聞は権力監視の自覚を 小樽商科大教授・荻野富士夫さん
毎日新聞 2014年03月31日 北海道朝刊

 ◇荻野富士夫さん(61)

 特定秘密保護法との類似性が指摘される、戦前の「軍機保護法」について、国は制定当初、抑制的な法適用を求めていた。しかし、実際には警察や軍の憲兵がささいな案件でも摘発し、敵国への情報漏れを防ぐことを意味する「防諜(ぼうちょう)」の機運を、庶民の間に高めた。こうした歴史に学び、秘密保護法についても行く末をしっかり見守る必要がある。

 軍機法は日露戦争(1904~05年)の際、各地で適用された。戦意や愛国心が高まる中、多くの人がロシアのスパイ(露探(ろたん))と決めつけられ、軍機法違反に問われた。裁判には多くの庶民が押しかけ、判決に対して「安すぎる」(量刑が低すぎる)と唱和して抗議することもあった。新聞も大したことのない事件を大事件のように報じた。

 1937年に軍機法が改正された際、衆議院は拡大解釈しないよう求める付帯決議をし、警察を管轄する内務省も、慎重に法を運用するよう再三現場に指示した。しかし、現場は従わず、偶然耳にした海軍の飛行場について米国人に話しただけで北海道帝国大学の大学生、宮沢弘幸さん(故人)が逮捕された「レーン・宮沢事件」(1941年)のような事態を招いた。

 警察と軍は軍機法を巧妙に利用した。今後も、諸外国との間で緊張が高まれば、異論を封じようとする動きが強まる。防諜意識を植え付ける法律はいずれ独り歩きする。新聞は権力監視の役割を強く自覚してほしい。【聞き手・伊藤直孝】=随時掲載

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 ■人物略歴

 ◇おぎの・ふじお

 1953年生まれ。日本近現代史専攻。著書に「思想検事」「特高警察」(いずれも岩波新書)「横浜事件と治安維持法」(樹花舎)など。
    --「特定秘密保護法に言いたい:新聞は権力監視の自覚を 小樽商科大教授・荻野富士夫さん」、『毎日新聞』2014年03月31日(月)付。

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[http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20140331ddr041010004000c.html:title]

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