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覚え書:「発言 海外から 『南の法王』の影響力=ピエロ・スキアバッツィ」、『毎日新聞』2014年04月16日(水)付。


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発言
海外から
「南の法王」の影響力
ピエロ・スキアバッツィ
ハフィントン・ポスト・バチカン専門記者

 ローマ法王が率いるキリスト教カトリックのバチカンは世界的なソフトパワーであり、それが地政学的な力となっている。中国が経済力というハードパワーを持ちながら、ソフトパワーを持っていないのと対照的だ。
 バチカンは19世紀に広い領土(法王領)を失ったが、ヨハネ・パウロ2世によってメディアを通じて影響力を保持する「ソフトパワー」になった。当時はテレビの全盛期。ヨハネ・パウロ2世は「メディア上の領土」を27年間保持したが、ベネディクト16世により大退却を強いられた。
 今はインターネット時代だ。フランシスコ法王は就任からわずか9カ月で昨年末、米誌タイムの「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に選ばれた。これほど短時間で「メディア上の領土」を征服したのはフランシスコ法王だけだ。今年はノーベル平和賞を受賞する可能性もある。
 ヨハネ・パウロ2世は欧州の思想を域外に輸出しようとしたが、ベネディクト16世は「内向きな欧州」だった。アジアにキリスト教を伝えたイエズス会出身のフランシスコ法王のDNAにはアジアがある。東洋と中東がフランシスコ法王の地政学的な標的だ。
 また、「貧者の教会」を掲げるフランシスコ法王は「南の法王」だ。ヨハネ・パウロ2世の地政学は「東西」を軸に繰り広げられたが、フランシスコ法王の軸は「南北」だ。世界における南北の力関係を是正することを目ざしている。
 その点でプーチン露大統領の役割を見極めるのが重要になる。プーチン大統領はフランシスコ法王をアフリカや新興国など「南」を代表する倫理的、地政学的な指導者と認める用意をしている。一方、法王はウクライナ南部クリミア半島情勢でプーチン大統領に「心配はご無用。教会はロシアの主権を損なうつもりはない」というメッセージを送っている。主権を巡る問題では中国にも同様の対応を取るだろう。
 ウクライナには東方典礼カトリック教会、中国には法王に忠誠を誓う地下教会がある。だが、法王は「忠誠は精神的なもので、政治的ではない」と露中の懸念の払拭い努めているのだ。法王は生前退位する可能性があり、頭には南米などの大統領任期「4年」がある。在位中にロシアと中国に行きたいと考えているはずだ。【構成・福島良典】
    --「発言 海外から 『南の法王』の影響力=ピエロ・スキアバッツィ」、『毎日新聞』2014年04月16日(水)付。

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