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覚え書:「書評:銀座Hanako物語 椎根 和 著」、『東京新聞』2014年04月20日(日)付。


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銀座Hanako物語 椎根 和 著

2014年4月20日


◆雑誌片手に歩く読者
[評者]森彰英=ジャーナリスト
 一九八八年にマガジンハウスから創刊された週刊誌「Hanako」は、首都圏在住で「週一回レストランで食事し、月一回コンサートに行き、年一回海外旅行する」二十七歳女性を読者に想定した。キャッチフレーズは「キャリアとケッコンだけじゃ、いや」。創刊の翌年、昭和天皇の大喪の礼に世界各国から集まったVIP夫人の服、持ち物、靴を著者がビデオでチェックすると五割以上がシャネル製品。街に出ると日常的風景の中に同じブランドを身につけている若い女性が多数見られたという。時代と見事に添い寝した雑誌の象徴的エピソードである。
 海外ブランド品の特集をすれば百貨店の売り場に行列ができ、「B1の女」の惹句(じゃっく)からデパ地下の高級食材に人が集まる。特集で渋谷や横浜などをガイドすると発売日の夕方から雑誌片手の読者が路地裏を歩いた。ボジョレー・ヌーボーもティラミスも月島のもんじゃ焼きも海外の買い物ブームもみんなこの雑誌から起こり「Hanako現象」と呼ばれた。
 創刊から五年半にわたり編集長を務めた著者は雑誌に関わった多数の人物を登場させ、自らを狂熱的な創造集団の中の一人として客観視しながら、破天荒な時代の記録を綴(つづ)った。信じられないような世の中と人の動きを描いた「栄華物語」であるが、二十数年後の今では無常を感じさせる「平家物語」の味わいもある。
(紀伊國屋書店・2052円)
 しいね・やまと 1942年生まれ。ほかに「週刊平凡」などの編集長を務める。
◆もう1冊
 酒井順子著『ユーミンの罪』(講談社現代新書)。一九七三年の「ひこうき雲」以来、女性の意識に与えた影響を検証。 
    --「書評:銀座Hanako物語 椎根 和 著」、『東京新聞』2014年04月20日(日)付。

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[http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2014042002000169.html:title]

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