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覚え書:「今週の本棚・新刊:『軍隊を誘致せよ 陸海軍と都市形成』=松下孝昭・著」、『毎日新聞』2014年04月27日(日)付。


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今週の本棚・新刊:『軍隊を誘致せよ 陸海軍と都市形成』=松下孝昭・著
毎日新聞 2014年04月27日 東京朝刊

 (吉川弘文館・1944円)

 大日本帝国の時代、国民にとって軍隊は現代よりずっと身近な存在だった。大きな戦争がたくさんあり、徴兵令もあった。その時代、地域や自治体は軍隊とどうつきあったのか。本書はその関係を明らかにした。

 明治期が主な分析対象だ。陸海軍、特に陸軍は国内で拡張を続けた。軍隊を誘致できれば、そこには巨大な消費が生まれ、インフラが整備される。自治体や地域住民らにとって、地域振興の「切り札」であった。誘致合戦は過熱した。軍に土地の無償寄付や、兵舎建設費の全額負担を申し出る自治体もあった。

 著者によると、戦後長く、日本の歴史学界や自治体史の叙述で、軍隊と地域社会の関係が述べられることは少なかった。戦禍の記憶が生々しく、基地反対運動など「反戦」活動が元気だった時代、戦前に自治体や住民と軍隊が共存共栄していたことに目を向けにくかったのか。

 だが近年、荒川章二・国立歴史民俗博物館教授や著者らによって、ようやく研究が盛んになってきた。基地を誘致したことによって、結局だれが得をして、損をしたのか。現代のまちづくりにどうつながったのか。研究の進展を待ちたい。(栗)
    --「今週の本棚・新刊:『軍隊を誘致せよ 陸海軍と都市形成』=松下孝昭・著」、『毎日新聞』2014年04月27日(日)付。

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[http://mainichi.jp/shimen/news/20140427ddm015070025000c.html:title]

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