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覚え書:「くらしの明日 私の社会保障論 さらなる費用抑制狙う=本田宏」、『毎日新聞』2014年05月14日(水)付。


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くらしの明日
私の社会保障論
さらなる費用抑制狙う
審議中の医療・介護総合法案
本田宏 埼玉県済生会栗橋病院院長補佐

 オバマ米大統領が来日中の4月24日、「輝け!いのち ヒューマンチェーン国会大包囲」が開催され、約5500人もの全国から集まった障がい者や患者、医療介護従事者らが国会を取り囲んだ。
 花の谷クリニック院長の伊藤真美氏、日本赤十字看護大学客員教授の川島みどり氏、「認知症の人と家族の会」副代表の勝田登志子氏、それに私の4人が呼びかけ人として参加した。昨年12月に成立した、社会保障制度改革の実施時期を定めたプログラム法に基づき、現在国会で審議中の「医療・介護総合法案」に「黙っていられない」との強い危機感を持ったからだ。
 この法案には、医療法や介護保険法など、国民生活に直結する十数本に及ぶ法改正が盛り込まれるが、5月中旬までに一括で制定する計画で、一つ一つについての丁寧な議論は予定されていない。内容は▽訪問介護の市町村への丸投げ▽特別養護老人ホームの入所対象を要介護3以上の限定▽特養利用料の自己負担を2割に引き上げ▽入院でなく在宅患者を増やすために病院のベッドを大幅削減--など、「持続可能」を錦の御旗に掲げ、安上がりな医療・介護提供体制をつくることが狙いだ。
 我々は「社会保障を改悪するな。憲法に基づいていのちと健康を守れ」をスローガンに、事前に議員会館で記者会見をしたが、新聞やテレビなどがこれを紹介することはほとんどなかった。米国のキング牧師は「世界最大の悲劇は、善意の人の沈黙と無関心」と言ったが、メディアの報道姿勢もあってか、生命に直結する社会保障制度改革への国民の関心は低いままだ。
 東京五輪の5年後となる2025年には、団塊の世代が75歳以上となって、人口の5人に1人が75歳以上、3人に1人が65歳以上となる。その日本で、先進国最低に抑制してきた医療や介護を、さらに改悪する「医療・介護総合法案」が審議されているのだ。
 社会保障が充実している国の投票率は、スウェーデンが85%、アイスランドが83%、デンマークが82%といずれも高い。日本は12年の衆院選が59%、13年の参院選が53%、今年の東京都知事選が46%と低調だ。
 もちろん政治風土や文化の違いはあるが、日本でも社会保障の改悪を阻止し、憲法に基づいたいのちと健康を守る政治を実現するには、一人でも多くの国民がこの問題を正確に認識し、石にかじりついてでも投票して、国民第一の政治家を増やすしかない。
 国民生活に直結する重要情報を、この紙面に加えて、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などを駆使し、自ら発信する努力も合わせて必要だと認識させられた。

プログラム法 社会保障制度改革の工程を定めた法律。国の社会保障制度改革国民会議が昨夏にまとめた報告書に基づき、子育て、医療、介護、年金の社会保障4分野の改革項目や個別法案の提出時期を規定している。
    --「くらしの明日 私の社会保障論 さらなる費用抑制狙う=本田宏」、『毎日新聞』2014年05月14日(水)付。

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