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覚え書:「今週の本棚・新刊:『天空の家 イラン女性作家選』=藤元優子・編訳」、『毎日新聞』2014年05月18日(日)付。

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今週の本棚・新刊:『天空の家 イラン女性作家選』=藤元優子・編訳
毎日新聞 2014年05月18日 東京朝刊

 (段々社・2160円)

 イランの現代女性作家7人の1980年以降の短編を収録した。近代化、経済成長、貧富の差の拡大、79年のイスラム革命、対イラク戦争。激しく揺れ動く社会の中で、女性作家たちが次々と登場し、検閲に苦しみながら、力作を発表し続けているという。確かにそんな熱い息吹に触れることができる一冊だ。

 作品すべてを読むと、女性たちが自分の居場所を求めてさまよう姿が浮き彫りにされているのがわかる。孤独のうちに、ヒロインたちは懸命に自らの生き方を探っている。

 ゴリー・タラッキーの表題作には、国外移住してバラバラになった家族の元をたらい回しにされる老いた女性の姿が描かれる。革命から戦争へと進んだ人々の受難がしみじみと伝わってくる。結婚相手によって次々に変わっていく女性を描いたダーネシュヴァルの「アニース」にはチェーホフ作品のような哀切感が漂う。主人公が叔母の死に接して遠方の葬儀に向かうヴァフィーの「見渡す限り」は多彩な人間模様を落ち着いた筆致で記して忘れがたい。

 編訳者は大阪大教授。平易な訳、わかりやすい注釈と解説で、作品群を私たちに近づけてくれた。(重) 
    --「今週の本棚・新刊:『天空の家 イラン女性作家選』=藤元優子・編訳」、『毎日新聞』2014年05月18日(日)付。

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[http://mainichi.jp/shimen/news/20140518ddm015070042000c.html:title]

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