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覚え書:「今週の本棚・新刊:『三好達治 詩語り』=張籠二三枝・著」、『毎日新聞』2014年05月25日(日)付。


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今週の本棚・新刊:『三好達治 詩語り』=張籠二三枝・著
毎日新聞 2014年05月25日 東京朝刊

 ◇『三好達治 詩語(うたがた)り』

 (紫陽社・2376円)

 三好達治(1900~64)は戦争末期から戦後にかけての数年、福井県三国町(現・坂井市)に仮寓(かぐう)した。師と仰いだ萩原朔太郎の妹アイ(愛子)と、その地で短い愛の日々を送ったこともよく知られていよう。三国生まれの著者は地元の人々の回想を交えつつ、当時の作品に即して詩人の面影を追っている。

 達治の評伝では石原八束のものが名高い。しかし、三国に移った1944年刊行の詩集『花筺(はながたみ)』をアイに寄せた「恋愛抒情(じょじょう)詩集」と記した八束に対し、著者は詩の丁寧な鑑賞を通してきわめて説得的に、より広い多様な詩情を読み取っていく。

 生前の達治は三国について語りたがらなかった一方で、晩年の文章では「心のふるさと」とも呼んだ。本心は奈辺にあったか。本書の核心といえる問いに、この地で詩人は「限りなく自由な孤独者となった」と、哀切な美しい言葉で著者は答えをつづる。

 三国移住の背景である戦争詩の捉え方には必ずしも同意できない部分も残るが、真率な探求と清新な筆致はそれを超えて読者に迫る。今年は達治の没後50年。昭和の大詩人の再読に誘(いざな)う好著である。(壱) 
    --「今週の本棚・新刊:『三好達治 詩語り』=張籠二三枝・著」、『毎日新聞』2014年05月25日(日)付。

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