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覚え書:「白夜の忌 三浦哲郎と私 竹岡 準之助 著」、『東京新聞』2014年05月25日(日)付。


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白夜の忌 三浦哲郎と私 竹岡 準之助 著

2014年5月25日


◆友が垣間見た文学観
[評者]出久根達郎=作家
 三浦哲郎氏は平成二十二年に亡くなられた。命日を白夜忌と名づけたのは著者で、おおやけの忌日名ではない。三浦の代表作『白夜を旅する人々』から取った、著者だけの名称である。
 こう詠んだ。「みちのくの寺で営む白夜の忌泉下の友としばし語りき」。語りあった事柄の一端をまとめたのが、本書である。
 三浦と早稲田大学仏文の同期で、同人雑誌の仲間である。著者は編集者志望であったが、三浦に、君も作家をめざすのだろうと問われて、とっさに、そうだと答えてしまう。三浦との友情を失いたくない一心の嘘(うそ)であったが、以来、二人の親密な交流が続く。
 三浦哲郎文学の本格的な評論と研究は、これからだろう。本書は若き日の三浦の言行を語って貴重である。照れ性の三浦は、まともに文学観を開陳しない。しかし、親友には何気(なにげ)なく散文のコツをもらした。「影を描くんだ。そうすればその物が浮かび上がってくる」
 著者は三浦からもらった手紙を大事に保存した。芥川賞受賞までの信書が百二十通余ある。ほんの一部が紹介されているが、手紙を含めて著者には更(さら)に思い出を語っていただきたい。どんな些末(さまつ)な事柄でもよい。三浦文学研究のためである。これは親友の義務である。著者には良き語り部の美質があるゆえに切望する。
(幻戯書房・2376円)
 たけおか・じゅんのすけ 1934年生まれ。出版社経営、文筆家。
◆もう1冊
 三浦哲郎著『白夜を旅する人々』(新潮文庫)。きょうだいから自殺者や失踪者が出た青森の一家を描く長篇小説。
   --「白夜の忌 三浦哲郎と私 竹岡 準之助 著」、『東京新聞』2014年05月25日(日)付。

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[http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2014052502000173.html:title]

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