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書評:内田樹・中島岳志・平松邦夫・イケダハヤト・小田嶋隆・高木新平・平松克美『脱グローバル論 日本の未来のつくりかた』講談社、2013年。


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内田樹・中島岳志・平松邦夫・イケダハヤト・小田嶋隆・高木新平・平松克美『脱グローバル論』講談社、読了。平松前大阪市長主催の公共政策ラボでの連続シンポジウムの記録。グローバリスト=ナショナリスト・イデオロギーにどう対抗するのか。「日本の未来のつくりかた」(副題)を多分野の識者が構想する。

世界は急速にフラット化し、国民国家の諸々の障壁が融解し、風通しがよくなると夢想されたグローバリズムだが、日本での実態とは「社会制度を『弱者ベース』から『強者ベース』に書き換える動き」がその実だったのではないだろうか。しかも、その20年の歩みにおいて、多くの国民が嬉々として同意署名したのは不思議なことだ。

グローバル人材wの要件とは何か。それは「高速機動性」。その本質は素早さだ。英語でガシガシ交渉し「自分の祖国が地上から消えても、自分の祖国の言語や宗教や食文化や生活習慣が失われても、私は別に困らない」と言い切れる人間たちが「最強」と格付けされる。

しかしグローバル人材とは「その人がいなくなると困る人がまわりに1人もいない人間」のことでもある。再弱者と格付けされるのは、「地に根付いた」最底辺の労働者・最も非活動的な消費者だが、地に根付いた人々こそミニマム社会へのスライドへの先駆となろう。

4回のシンポジウムは「グローバル社会VS国民国家のゆくえ」、「おじさんと若者たちとの対話」、「衆院選直前! 『政治』について考えよう」、「新しいジモト主義が日本を救う」。「地味でもいいから少しづつ『気付いた人』の輪を広げていきたい」(平松)。


 


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脱グローバル論 日本の未来のつくりかた
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講談社
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