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覚え書:「特定秘密保護法に言いたい:天気伝えぬ非人道性 元気象研究所研究室長・増田善信さん」、『毎日新聞』2014年06月16日(月)付。


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特定秘密保護法に言いたい:天気伝えぬ非人道性 元気象研究所研究室長・増田善信さん
毎日新聞 2014年06月16日 東京朝刊

(写真キャプション)増田善信さん=青島顕撮影

 ◇増田善信さん(90)

 1941年、京都の天橋立(あまのはしだて)に近い測候所に入った。気象観測とともに、全国の気象データを1日2回無線で受信した。日米開戦の12月8日夕、無線を受信すると、いつもとまったく違うデータが流れてきた。所長に報告すると、慌てる様子もなく金庫から乱数表を取り出した。

 その日から当時の秘密法制の軍機保護法、軍用資源秘密保護法に基づく気象管制が敷かれた。日ごろの天気予報だけでなく、台風や津波の危険さえ一般の人に伝えることができなくなった。

 高潮で1100人の死者・行方不明者を出した翌42年8月の台風では、山口県の周防灘直撃の直前まで予報を出せなかった。1000人を超す死者を出した44年の東南海地震の津波や45年の三河地震の被害も知らされなかった。前もって高潮や津波の危険を知らせていれば、かなりの命が救われた可能性がある。非人道的だった。

 戦争になると「空白の天気図」が生まれる。攻撃の参考になる情報を与えないためだ。最近ではアフガン戦争の時に現地の気象情報が入らなかった。天気は一般の人の命を守るものでもある。秘密にしてはならない。

 昨年末に成立した特定秘密保護法について、政府は「一般の人には関係がない」と強調する。だが特定秘密にされる防衛やテロ防止の情報は行政が政令を作って決める。将来、気象に関わる情報が対象になる恐れがある。政令作りを監視し、不幸な歴史を繰り返してはならない。【聞き手・青島顕】

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 ■人物略歴

 ◇ますだ・よしのぶ

 1923年生まれ。戦中、海軍で攻撃機のために天気予報をしたが、攻撃機の多くは戻らなかったという。著書に「異常気象学入門」など。 
    --「特定秘密保護法に言いたい:天気伝えぬ非人道性 元気象研究所研究室長・増田善信さん」、『毎日新聞』2014年06月16日(月)付。

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[http://mainichi.jp/shimen/news/20140616ddm004010047000c.html:title]


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